グレコLS-120CSのレストア(その2)

(前回からの続き)  断線しているリアピックアップの代わりを探していたら、良さそうなピックアップが中古で出ていたので早速手に入れた。 「YAMAHA SELECT by EMG」とある。 EMGは米国の会社だが、生産は韓国らしい。 ピックアップから出ている線は3本で、全体の直流抵抗は8.4KΩ。 一般的なリア用ハムバッカーの値と同じだ。コイルタップ用配線の抵抗値は半分だ。 サイズを比べて見ると、縦・横は殆ど同じ。 横から見ると、ピックアップを支える金具の高さが違う。 LS-120CRSに付いていたエスカッションに取り付けても、サイズに違和感は無い。 死んでいるピックアップをYAMAHAのエスカッションに取り付けてみたら、金具の位置の違いがそのまま出た。 エスカッションはピックアップによって微妙に穴の位置が違うので、古いのがそのまま使えるのはとても有り難い。ただ、元々付いていた金色のネジは少し太くて入らないので、ピックアップ付属の物を使う。恐らくインチ規格とミリ規格の違いだろうね。  こんなに早くピックアップが手に入るとは思っていなかったので、ギター本体側の作業は殆ど進んでいない。こりゃぁまじめに取り掛からなきゃ...ね...。(笑) (続く)

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グレコLS-120CSのレストア(その1)

 少し前に我が家にやって来たGreco(グレコ)のL-5Sコピーモデル、LS-120CRS。 片方のピックアップから音が出ない状態だったので格安で入手できた。  1988年当時、楽器店で見せて貰ったグレコのカタログでこのモデルの存在を知ったが当時の定価は12万円!、とてもじゃないけど買えるような金額では無かったら「ふーん、L-5Sの忠実コピーモデルを作ったんだ...」という程度にしか感じなかった。  時が流れてベースだけでなく(弾けないくせに)ギターにも興味を持つようになり、一時はオークションにはまり込んで自分の部屋に30本以上のエレキギターが並ぶほどになった。その頃は同時進行でカメラ機材も極端に増殖していて、レンズ100本近くにボディが十数台という状態だった。  当時は残業に次ぐ残業、今でいう「ブラック」な職場環境で土日の休みは睡眠不足を取り戻すのが精一杯。知らず知らずのうちにストレスを溜めていて、それでギターやらカメラやらを買い漁っていたように思う。今持っている本家GibsonのグリーンカラーLesPaulもこの時期に手に入れた。L-5Sも欲しくて探し回ったけれど、本家Gibsonは中古が殆ど出て来ず、出て来ても凄まじい金額で手を出せない。結局入手できないままになっていた。  買い漁り始めて7年ほどの間に物を置く場所どころか自分の部屋の中を歩くのも難しいという状態となっていった。部屋の中は段ボールやらカメラやらギターやらベースやらがあちこちに立てかけてあったり並べてあったりで、窓…

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LEDレフランプの簡単な修理

 子供に頼まれてネット上で探し当てたLEDレフランプは、4つのうち1つが点灯しない初期不良だった。 購入先に問い合わせたら「直ぐ動作確認済み品をお送りしますので、不動品はそちらで廃棄して下さい」と丁寧な連絡が入り、翌日動作品が送られてきた。  「どうせ捨てるのなら」と分解してみることに。  E26口金の上にある白い樹脂部品は3つのネジで固定されているだけで、それ以外にネジは見当たらない。 ネジを外すと、内で赤い配線が浮いているのが見えた。 「これって、単に外れただけじゃないかな?」黒い線はどこかに繋がっているようで、これ以上基板を外に引き出せない。そこで、発光側の半透明樹脂部品を外すとLEDの基板が出て来た。ちなみに、この樹脂部品はボンドのようなもので接着されていた為、外すのに随分と苦労した。 線が何も繋がっていないハンダの部分が一ヶ所ある。恐らくハンダ付けがいい加減で赤い線が輸送中の振動か何かで外れたんだろう。  内部の基板はスイッチング電源回路で、AC100Vから直接DCに変換しているようだ。 その基板がガタつかないように、紙を丸めた緩衝材が入っていた。 外れていた赤い線をハンダ付けする。 元通り組み立てるが、半透明の部品には端の方に浅い溝が入っていて、一寸強く本体に押し付けたら「パチン!」と音がしてハマった。溝で噛み合ってるだけだから手で回せるけれど、固定する必要は無いのでそのままにしておいた。  念の為に点けてみたら、案の定正常に点いた。(笑)  このLED…

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ヤマハのベースアンプF110-115Bの簡単なオーバーホール

 格安で入手したベースアンプ・ヤマハF100-115Bは、2年ほど前に我が家にやって来た。 スピーカは15インチ(38cm)が一つ、バスレフ型エンクロージャーに収まっている。シンプルな構造で、出てくる音も素直だ。1980年のカタログにも載っている当時の最高機種で、今でもあちこちのスタジオなどで現役で使われている。  手に入れた時点で状態が非常に良く、あえて何もメンテナンスしていなかったが、最近になって子供が「高音域が出難い」と言うようになった。製造から既に40年近く経過しており、電解コンデンサ類は交換時期を過ぎているものの、音を聞いてもノイズフロアはそんなに高くないのでトランジスタ類の交換は必要なさそうだ。  BOSE1702等、他のと一緒に交換用コンデンサを仕入れたので、部品が全部揃ってから作業を始めた。  本体上にあるネジ全てを外してスピーカの線を抜き、パネル毎後ろに引くと、回路の部分がすっぽり抜ける。 卓ライン取り用のXLRアウトはトランスが使われている。 今時の機材はお手軽に電子回路で組んであるものばかりだが、 # だからコールドとグランドのショートといった思いもよらぬトラブルも多かったりするらしい。 こちらは随分とお金を掛けている。流石トップの機種だけの事はある。  まず電源回路から作業する。交換するコンデンサは2個だけだ。 外したコンデンサ(画像左)と新しく取り付けるコンデンサ(画像右)は大きさがかなり違う。 古いコンデンサを自作の簡易ESRメータで測…

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BOSEのパワーアンプMODEL1702の簡単なオーバーホール

 先日の記事で少し触れたBOSEのモノラルパワーアンプMODEL1702は、2台セットのラックマウントステー付きを格安で入手した。 長期に渡って酷使されていたらしく、ボリュームのツマミは無くなって軸も少し曲がっている。全体的に油のような物がうっすらと塗られたような状態で、手で触ると少しネチャっとする。  入手時の説明では「片方は普通に使える状態で、もう片方は全く動かない。古い物なのでジャンク扱い」となっていた。試しに電源を入れて見ると、確かに片方は普通に音が出るけれど、もう一つはうんともすんとも言わない。  ネットで調べたら、この製品は1984年3月発売だそうな。既に34年経過しているので、それなりに劣化している筈だが、出てくる音は普通だ。  まずアンプ本体を外してマウントステーを見ると、全体的に薄い茶色の汚れが付着している。 裏側もやはり汚れている。 このままでも差し支えないが、せっかくバラしたので古歯ブラシと石鹸で汚れを落とした。 内部を調べ、序でに他の機材も調べて交換の必要な電解コンデンサ類をまとめたものの、名古屋・アメ横の店では扱っていない物ばかり。なので、耐電圧の高いコンデンサ類はRSオンラインで、その他は秋月通商に発注した。 ギターアンプF100-212・ベースアンプF100-115B・ローランドJP-8000・ヤマハDX-7等の部品も併せて頼んだので、かなりの点数になった。 忘備録も兼ねて、撮影しながら早速分解する。  まず、本体裏側の長いネジ3本を外…

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