ヤマハのベースアンプヘッドF100Bオーバーホール(その2)

(前回からの続き)  ノイズの発生源は、恐らくはプリアンプ部か電源かのどちらかだろうとは思うが、回路図無しでは調べるのは難しい。面倒だが、一度組み立てたアンプをもう一度分解し、各基板を撮影する。 「そっか、モノクロで撮影すればデータ量が減って処理が楽じゃん」と気が付いて、最後の基板だけモノクロ。(笑) それぞれを白黒化してデータ量を減らし、読み取り難い部分は実物を見ながらお絵かきソフトで一つ一つ手で修正する。  後で見ても分かるようにしておかないと、結局基板を見る為に再度分解する羽目になってしまう。面倒だが、手を抜く訳には行かない。  同時期のギターアンプF100-212に比べれば、基板の面積は少ないし配線も少ないから楽な筈なんだけど、それでも部品や配線を追いながら手で書き込んでいると、あっという間に時間が過ぎてしまう。  一旦書き上げても見直すと間違いが見つかったりするから、何度も基板と図を見比べてチェックすると、それも時間がかかる。  他の作業も同時並行なので、足掛け3日掛かってようやく3枚の基板を書き上げた。 書き上げてから「ひょっとして、ネット上に回路図が出てたりするのかな?」と思って探したら...なーんだ、やっぱりあるじゃん。(汗)  でも、見比べて見ると細かい部分が結構違う。トランジスタの型番が違うのはまぁ良いとしても、ダイオードの向きが逆だったり、抵抗の入る場所が違っていたり、と見過ごせない違いも少なからずある。どれも回路の動作に影響するので、違う部…

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MagFilterでマクロ撮影を楽に

 以前デジカメ考で色々と書いたけれど、SonyのDSC-RX100M3は結局そのまま使い続けている。「何で?」と思われるだろうが、その理由は...たまたま海外で安く出ているMagFilterを見つけ、買ってしまったからである。(滝汗) 【コンパクト デジカメ用】 フィルターアダプター 52mm径 Carry Speed MagFilter [国内正規品/日本語取説/保証付] 52mm出版社/メーカー: Carry Speedメディア: エレクトロニクス 送料無料 Carry Speed MagFilter Threaded コンパクトデジカメ用 49mm/52mm /58mm UV アダプタ Sony ソニー DSC-RX100 / HX10V / HX20V / HX30V / キヤノン G12 / G15/S100/S110 対応ショップ: parisrose価格: 4,980 円 裏面に英文の製品説明が書かれている。 箱から中身を出すと、こんな感じ。 カメラ側に接着するマウントアダプターは2枚入っている。マウントアダプターにフィルターを支えるリングがマグネットで吸着する仕組みだから、重いフィルターは使えない。  布製の小型ポーチはフィルターを付けたまま収納できるようになっている。  MagFilterにはCanonのS120に対応する36mmサイズもあるけれど、固定式で外せない偏光フィルターとセットだし、仮に偏光フィルターだけを外せたとしてもクローズアップレ…

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ヤマハのベースアンプヘッドF100Bオーバーホール(その1)

 今年3月にヤマハのベースアンプF110-115Bをオーバーホールしたけれど、その際に「どうしてここにこの規格の部品?当時の部品調達の都合なのか?」と感じる部分があった。  先日、出力が同じで回路構成も同じと思われるヤマハのベースアンプヘッドF100Bが、普通では考えられない程の安値で隣の県からオークションに出品されていた。同時期の製造と思われるので、「落札できたら回路を調べて見よう。」  動作未確認の上にかなり酷使されていたらしくて外観が劣化していたこともあり、誰も入札せず超安値のまま落札できた。ヘッドのみだからサイズや重さは知れているけれど、送って貰うと落札額以上の送料が掛かってしまう。お隣の県なので、直接引き取りに行くことに。  先方の都合で日時が決まり、当日引き取りに出かけた。朝から雨が降ったり止んだりという天気だったが、隣の県に入ってからは雨は殆ど降らなかった。田園地帯ののどかな風景で、ワインやビールを片手にボーっと眺めていたい感じだ。 先方は倉庫のような建物で、アンプヘッドはどこからか一括で引き取ってきたうちの一つらしかった。  帰り道は来た時とは違う道を選んで通ったら、面白い像(目印の看板?)があった。  自宅に持ち帰ったら、まずは全体をチェックする。 手荒に扱われていたようで、インプットジャック付近に何かをぶつけたような痕があり、外装の一部が剥げて木部が見えている。電源とベースを繋いで音を出して見ると、一寸強く弾くと音が歪んでしまう。弱く弾けば歪まないので、プ…

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また買ってしまった・・・

 子供の進学でバタバタしたり修理品が目白押しだったりで読書どころではなかったという面もあるが、このところ読書量が極端に減っている。  冬から夏の間に一応20冊ほど読んではいるのだけれど、このブログに書評を乗せるほどでも無いと感じた本ばかり。読んでも一寸物足りないと感じた本ばかりが続いたのと、酷暑で読もうとする気力が失せてしまったもあり、例年に比べると異様に読書量が少なかった。  大抵のことはネットで検索すれば分かるようにはなったが、本と違って内容に正確さを欠く事も非常に多いので、やはり出版された情報は貴重であり重要である。  2013年から2017年初春にかけて買い漁った中古本の数は200冊以上。でも、買った割には読む量が少なくて積読冊数が150冊を超えてしまった。積んである本の山々を見て「こりゃぁ在庫を読み切る迄は買っちゃ駄目だな」と感じ、2017年4月以降は中古本は一切買っていなかった。  今の段階で未読は100冊強。積読状態の解消には程遠い状態なのだが、先日「商品入荷のご案内」というメールが届き、ついつい買ってしまった。(滝汗) 「何が何でも欲しい」と思っていたのは土門拳の「写真随筆」のみ。でも、一冊では本より高い送料がかかってしまう。しかし、中古本は出た時に手に入れないと次は何時出て来るか分からない。  だから、以前から「一寸読んでみたい」と思っていた本8冊(勿論中古)と一緒に購入した、という訳。また本を増やしてしまったなぁ。(汗)  カメラを趣味にしているので以…

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グヤトーンFLIP300FCのオーバーホール(その2)

(前回からの続き)  スプリングリバーブの単体ユニット(タンク)はAccutronics社などの複数の会社から市販されている。入出力インピーダンスや残響時間の違いで複数のモデルがあるけれど、壊れた方のリバーブは入出力インピーダンスが不明なので、どれを選べば良いのかが判らない。 (注)インピーダンスとは...簡単に言えば、交流を流した時の抵抗ですネ。  「ウーム、どうしてくれようぞ...」と思いながらネットを漁っていたら、リバーブタンクのデッドストック品にぶち当たった。見た感じではサイズや構造は同じだが、インピーダンスや残響時間などのスペックは全くの不明。でも、お値段は現行品の半額。一か八かで取り寄せてみた。 早速比べて見る。上が取り寄せた物、下が壊れた方である。 中身も全く同じ構造だが、コイルの色が違う。 インピーダンスアナライザは持っていないので、とりあえず直流抵抗を測った。新品の出力側は226Ω。 入力側は39.4Ω。 壊れた方も測定する。入力側は66.1Ω。 出力側は169.3Ω。 新しい方の入力側は古い方の6割程度しか無く、出力側は3割程多い。  大雑把にはインピーダンス(正確にはリアクタンス)は巻き数の2乗に比例し、直流抵抗は巻き数に比例する。新しい方に替えると、入力インピーダンスが低く(=音が小さくなる)出力インピーダンスが高い(=音が小さくなる)ので、リバーブ音は極端に小さくなる筈。多分聞こえないだろう。リバー…

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