ローライフレックスとローライコードを撮り比べる

 フィルムスキャンの環境が整ったので、ローライフレックス2.8F(テイクレンズはツァイス・プラナー)とローライコード3型(テイクレンズはツァイス・トリオター)で撮り比べたフィルムを用意し、同じ条件でスキャンした。 なお、ローライコード3型は改造済みの状態で撮影している。また、どちらもオーバーホール済み、機械制御式シャッターの精度も自作シャッターテスターにて計測済みでどちらも通常誤差の範囲内、同一ロットのフィルムを使い、シャッター速度・絞り値も同一である。  まずは草木の写り具合を比べる。 肉眼でフィルムを見る限り、描写に違いは殆ど感じられない。ローライコード3型の方が若干明るめに写っているけれど、通常誤差の最少と最大でもこの程度の明るさの違いはある。3群3枚のトリオターに比べてプラナーは4群5枚で2枚多いから、その分暗くなっている可能性もゼロでは無い。  次は、ほぼ逆光の撮り比べだ。 こちらも殆ど差は無いように見える。けれど、よくよく見ると、トリオターは暗部が「ストンッ」と落ちているような感じなのに対し、プラナーはほんの少しだけなだらかな感じ。これもじっくり見比べて見れば、というレベルだ。  最後は順光の建物である。 こちらも見た感じでは殆ど一緒。ただ、電線や看板の文字を見ると微妙ながらも違いが分かる。解像しきれていない感じのトリオターに比べ、プラナーは細部まできっちり表現している。ただ、10倍ルーペで見て分かる程度の差でしかない。  電柱の看板の部分を最高解像度128…

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改めて、ブローニーフィルムのスキャン

 以前フィルムのスキャンに使っていたキヤノンのCanoScan8600Fは、長年の酷使が祟ったのか調子が悪くなってしまった。紙類のスキャンは問題無いのだけれど、何故かフィルムのスキャンはピンボケになってしまう。何をどう調整しても上手く行かないので、だいぶ前に手放した。その後ずーっとフィルムのスキャンが出来ない状態のままだったが、特に不具合は感じなかった。  ところが、最近になって写真を趣味とするSNSに顔を出すようになり、フィルムで撮影した物を投稿しようとしても「フィルムをスキャンする環境無いやん。」  しばらくはライトボックスの上にフィルムを置いてデジカメで撮影していたが、色合いや細かな部分はどうやっても再現できない。特に中間色の再現が難しく、写真の雰囲気が変わってしまう場合もある。  デジタル一眼レフなら良いのかも知れないが、そんな物は持っていない。「うーん、やっぱデジカメ複写じゃ無理があるなぁ。」  調べて見ると、フィルム対応を謳う製品はそれなりに出ているものの、2B(ブローニー)対応となると片手で数える程度しか無く、しかもやたらと高い。  「じゃぁ、中古で探そう。」ネット上をあちこち彷徨うことしばし、少し前にようやく納得できる金額のスキャナに出会えた。エプソンのフラットベッド・スキャナGT-X970である。 元箱は無かったものの、付属品は全て揃っている。 早速使ってみたが、何をどうやってもピンボケ画像を量産してしまう。35㎜フィルムはまだ良いが、ブローニーはかなり酷く…

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TLR200のカムチェーン調整

 KL250RのガソリンをTLR200のタンクに入れ、エンジンを掛けて見た。 MVI_3982S.mp4 エントリークラスのデジカメだから、音がきちんと録れてないけれど、実際には「シャリシャリシャリシャリ」という音がもっと強い。エンジン内部から聞こえてくるので、カムチェーンが音を立てていると考えられる。「じゃあ、調整すっか!」  調整用のボルトはシリンダー後方にあり、ゴムのキャップが被せられている。 キャップを外すが、上側の6mmのボルトは一切触らない。エンジンを掛けてアイドリングさせ、下側の14mmのボルトを緩める。 ボルト緩める前に、車体に対して真横になっている位置をボルトに黒のマジックで記録してある。この位置で使えるような小型トルクレンチは持っていないけれど、こうすれば締め込む時にトルクレンチで計測する必要が無くなる。 # 本来は必ずトルクレンチを使うべき。 緩めて数秒放置したら、元通り締め込む。 # この時も上側の6mmボルトは一切触らない。 キャップを嵌め込もうとしたら、一部分が歪んでいる。 本来なら交換すべきだろうが、支障無さそうなので、そのまま被せた。  改めてエンジンを掛けて確認する。 MVI_3985S.mp4 シャリシャリ音が消えて、聞き慣れたエンジン音となった。この音を聞く限りでは、今のところタペットの調整は必要なさそうだ。  これで普通に走行できる状態となった。さぁて、何処へ行こうかなー?(笑)

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電子ピアノPianoPlus20の簡単なメンテナンス

 子供がリサイクルショップで仕入れて来たローランドの電子ピアノ「PianoPlus20」(品番:HP-20)は普通に使える状態だが、子供曰く「YouTubeなんかで聞く音と随分違う」と。 1984年頃の製品だから、35年程経過している。となれば、当然内部の部品は劣化して音が変わってもおかしくない。必要な部品を発注してメンテナンスすることに。  側面と底面のネジ数本を外すと本体上側の金属製の蓋が開く。 左側にトランス、電源回路(右下の基板)、アナログ出力回路(中央上の基板)がある。 右側には音源基板がある。 音色が2つしかない為か、基板も思ったより小さい。載っているチップを確認する。 左上のM74LS42PはBCDデコーダー、TC4050BPは非反転バッファ、40ピンのD8048Cは8ビット・マイコン、M5L8253P-5はプログラマブル・インターバルタイマー。M5L8253P-5は基板上に3つある。 基板の右側はキーボードからの入力を受ける回路が並んでいる。 TC4013BPはDタイプ・フリップフロップで、鍵盤の接点が不安定であってもきちんと音が出るようにする為に使われているようだ。 # ちなみに、フリップフロップを直訳すると「ギッコンバッタン」。(笑) この部分のコンデンサだけ色が違い、比較的新しい物が使われているので、一度メンテナンスが行われているらしい。  まずはアナログ出力回路から作業を始める。まず、基板を取り外す。 基板上の電解コンデンサをオーディオ用に交…

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腕時計のベルト交換

 昭和40年代後半から長い間、亡き父が使っていたオメガの腕時計は2年前にオーバーホールして調子は良いのだが、ベルトがボロボロになってきた。 前回ベルトを交換したのは父だが、どういう訳か尾錠までもが社外品になっている。「おかしいな、オメガ純正の尾錠は?」と思いながらあちこち探したら、タンスの小引き出しの奥に尾錠だけが残っていた。どうやら交換した際に「純正の尾錠だから」とお店側が外してくれたらしいが、かなり傷んでいるので再利用は一寸躊躇われる。  「革だとまた傷むよなー」なんて思いながらネット上を彷徨っていたら、安価なベルトを英国の店が出しているのを見つけた。「日本に送ってくれる?」と問い合わせたら「OK」という返事だったので、早速送って貰った。 一応ゴールドだが、実際の色はローズゴールドなので、ケースの色よりもかなり赤い。 早速交換した。 中留(なかどめ)にオメガのマークが入っている。 腕に付けると、こんな感じ。 見た目は良いが、バンドの動きに滑らかさが無い。多分、純正では無いだろう。 # 近年急増中のインドご謹製贋作だろうな。 色の違いは気になるけれど、おかしいほどでも無いので、とりあえずはこの状態で使い続けようと思う。  ちなみに、この時計は父が国からの命令で昭和47年に欧州の学校を視察調査した際、スイスで購入した物。父は「ソ連班」に属していて、ソ連の学校を見て回った後、飛行機乗り継ぎの為にスイスに行っているので、その時に購入したんだと思う。  この時計にモデル名などは…

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