ポータブルCDプレーヤーD-265の修理(その1)

 随分前に中古で仕入れて1階の部屋で使っていたソニーのポータブルCDプレーヤーD-265は、しばらく使わなかったら動作が不安定になってしまった。 具体的には、CD再生中に突然音が途切れて「ん?」と思ったら1曲目から再生したり、時にはCDを入れても全く動かなかったりするのだ。また、殆ど使わないけれどヘッドフォン出力の音は低音域がかなり弱くなっているような気がする。  この機種は1996年12月発売で、製造から既に25年近く経っている。内部の部品が劣化していてもおかしくない。  再生中であれば特に問題無いので、再生関係は電源回路の異常、ヘッドフォン出力は電解コンデンサの容量抜けが疑われる。念の為にCDピックアップ部を確認する。 ピックアップ部のレンズはそこそこ奇麗だから、問題無さそうだ。 分解して確認する事に。  本体裏側、矢印の位置にあるネジを全て外す。 上半分を持ち上げると分解できる。 基板が二階建てになっている部分がある。 外すと裏側にもICチップがある。 ボリウム近くにあるスイッチ(矢印)は、専用ニッケル水素電池を入れるとスイッチが押されて充電回路が動くようになっている。 上側の蓋にある液晶は問題無く動いている。 けれど、念の為にここも分解して調べておく。ネジを外して基板を押さえている蓋を取るだけだ。 基板に問題は無さそうだが、埃だらけだ。 掃除してから元通りに組み立てた。 CDピックアップ部は問題無さそうに見る。 念の為にギアカバーを外してみたけれど、…

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電波時計が止まっちゃった(その4)

(前回からの続き)  太陽電池一枚でどの程度電気を貯められるのか、テストする。太陽電池→ダイオード(逆流防止用)→電気二重層コンデンサと接続し、薄曇りの日の日の出前からお昼まで東側の窓に置いて充電させる。 使うダイオードは電圧降下の少ないゲルマニウムダイオードを使う。テスターで測ってみると、0.3V弱。 一般的なゲルマニウムダイオードは0.2Vから0.3Vの範囲だから、ギリギリその範囲に収まっている。  序でに他のダイオードも測定してみた。何か廃棄する電化製品から外したシリコンダイオード(型番不明)は0.5V強。 一般的なシリコンダイオードは0.6Vから0.7Vの範囲だから、やや低い値だ。  ショットキーバリアダイオードは更に低くて0.4V弱。 その構造からスイッチング特性が優れているので、主にスイッチング電源で使われている。シリコンダイオードよりも電圧降下が少ないので、電源回路の効率向上にもなる。  更に色々なダイオードを測ってみたら、0.15V弱という物もあった。 電圧降下を極端に抑えたタイプのダイオードだ。このタイプは、使い方によっては熱暴走を起こすので注意が必要だが、今回のような使い方なら全く問題無い。  太陽電池の電圧が3V近くあるので、ダイオードで電圧が落ちたとしても2.4V程度の電圧が電気二重層コンデンサにかかる。発光開始電圧の高い白色LEDは無理だが、緑のLEDなら点く筈。試しに直接緑LEDを繋いでみたら、やっぱり点いた。 しばらく点けたままにしてみた…

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ソーラーイルミネーションライトの簡単な修理

 2017年冬に購入したソーラー式のイルミネーションライトは、1年ほど経ったら点かなくなってしまった。 「ニッケル水素電池が駄目になったん?」と思い、蓋を開けて調べたら電池に問題は無い。 「おかしいなー?」あれこれ調べたら、なんとソーラーパネルが全く発電していないと判明。(唖然)ネット上で部品を頼む序でに、使えそうなソーラーパネル2種類も一緒に発注、数日後に届く。 実際に直茶日光に当てて測ると、左のパネルは電圧が少し低いので、今回は右側を使う。  ソーラーパネルは直接取り付けるので、本体に配線を通す穴を開ける。 内部の基板は両面基板で、スイッチが2つ載っている。 基板は樹脂の先端を溶かして固定してある。 発電しなくなったソーラーパネルの配線を外す為、樹脂の溶けた部分を切り取って基板を外す。 配線をやり直して、基板側の作業は完了だ。  イルミネーションライトの配線は本体から直接繋がっていて、切り離せる構造にはなっていない。 これでは扱いが面倒なので、切断して接続端子を半田付けした。 # 端子カバーが逆なのはご愛敬。A(^^;)(笑)  ソーラーパネルを本体に直接接着して取り付ける。G17ボンドを適当に塗り、手で触ってもべとつかない程度に乾いたら圧着すれば良い。 ボンドが完全に硬化するまで丸一日放置しておく。  多分そのままでも大丈夫とは思うけれど、念の為に周囲をホットメルトで固めて簡易的な防水にしておいた。 晴れた日に外に置いて充電したら、無事動いた。目出度しメ…

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電波時計が止まっちゃった(その3)

(前回からの続き)  具体的に回路まで考えていた訳ではないのだけれど、随分前から「時計の消費電力なんて微々たるもんだから、小さな太陽電池でも賄えるのでは?」と考えていた。それに、電池だと今回のような液漏れが起きるのは避けられないが、太陽電池なら交換の手間も省ける。  「そういえば、小さい太陽電池があった筈」と部品箱を漁ったら、十年近く前に仕入れた三洋製が出てきた。 サイズからして電卓用に製造された物と思うが、名古屋・大須へ部品の買い出しに行った際にたまたま安く出ているのを見かけて「何かに使えるかも」と購入してあった物だ。見た目から色素増感太陽電池と思われる。大きさは3.5×1.4cm、明るい曇りの室内で測定すると3V近くある(開放電圧)。 面積が小さいので電流は0.25mAしかない(負荷抵抗はテスターの200Ω)。強い直射日光に当てるとようやく2mA近くになる。 一つでは電力が足りないので、複数枚を並列にして使う事になりそう。  太陽電池は暗いと発電しないけれど、時計は24時間動きっ放しだから、昼間に発電した電力を貯める場所が必要だ。「確か買っておいた筈」と、また部品箱を漁って見つけ出した。 電気二重層コンデンサ5.5V0.1Fだ。これは他の回路修理に使って余った物。他にもう一つ2.5V1Fもあったけれど、電波時計の電源は単三電池2個(3V)だから、今回の用途では使わない。  電波時計の説明書には「標準電波の受信は最大で1日6回」と書かれている。時計だけなら…

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電波時計が止まっちゃった(その2)

(前回からの続き)  時計が無いと何かと不便なので、改造を考える前に「とりあえず動くようにしなければ!」早速分解する事に。  時計裏側にネジがあるけれど、外周に近い方は飾りの木枠を固定するネジなので、やや内側にあるネジ(赤の矢印)を外す。 すると、蓋が外れて中が見える。 真ん中に針を動かすモジュール、下には電波受信回路の基板、左に制御回路の基板がある。電池ボックスは単体で右側にあり、他の基板に液漏れが影響しない構造になっている。たぶん設計者も電池の液漏れを考慮して、この形にしていると思う。  モジュールは電波時計でない時計とほぼ同じ外観だが、制御回路からの信号を受ける基板がある点が普通のとは異なる。 針を動かすツマミもあるが、通常は裏蓋の下なので操作する事は出来ない。  制御回路の基板にはICチップが二つあるようだ。(黒の丸い部分) 灰色の上の突起が時刻合わせ、下が電波受信のスイッチになっている。   画像では分かり難いが、電波受信回路の基板の裏に、AMラジオとほぼ同じ形のバーアンテナがある。 標準電波(コールサインJJY)は、福島県大鷹鳥谷(おおたかどや)山の40kHz、佐賀県羽金(はがね)山の60KHz、の二ヶ所から発信されている。AMラジオ(中波帯:526.5kHzから1606.5kHz)と干渉しないように、低い周波数の長波帯を使っている訳だ。この電波を受信する為にバーアンテナが必要なのである。  肝心な電池ボックスは裏側の配線にまで電解液の結晶がびっしり。…

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