秋の信州(その2)
(前回からの続き)
踊場湿原を歩き出すが、細い歩道は霜柱が溶けたらしくてベタベタのヌタヌタで、気を抜くを足を滑らせてしまいそう。慎重にベタ足で進むと、シューズの裏側にねっとりとした泥がタップリくっ付いてしまって歩き難い。大きな石を見つける度に靴底を擦り付けて泥を削り落とす。
背の高いススキが邪魔で、撮影ポイントを見つけるのが難しい。ここに通い出した平成初期にはススキなんて全く見かけなかったのだが、徐々に乾燥化が進んでいるようだ。ススキの合間を探しながら撮影する。
デジ一眼のみの子供はどんどん先へと進んで行ったけれど、フィルムカメラ3種とデジカメでワンカットずつ撮影していたのでなかなか先に進まない。
陽はどんどん傾いていくので段々焦ってきて、途中からデジカメでは殆ど撮影せずフィルムカメラのみになっていった。
道路から一番奥にある木製の橋の前まで来たら、川に水が無い。
「ありゃーぁ、冬になると枯れちゃうんだねぇ。知らなかったよ」なんて思いながら橋を渡ろうとした時に携帯が鳴った。
子供から「そのまま進むと、道路へ降りる歩道はヌルヌルでまともに歩けなくて危ないから、来た道を戻る方が良い。(歩道脇に設置されている)ロープを掴んで何とか道まで降りられたけれど、何度も転びそうになった」と。子供は底が凸凹になっている登山靴だが、拙者は底面に細い線は入ってるけれどツルンとしたバイクシューズ。小高い丘まで上ったら引き返す事にして、とりあえず丘迄進む。
陽の傾きは更に進んで周囲が暗…