dbx mc-6のオーバーホール(その2)

(前回からの続き)  先日、久し振りに部品を発注する機会があったので、懸案だった電解コンデンサも一緒に発注。一年近く経っちゃったけれど、続きの作業を進める事に。  部品待ちだったのは、主に整流回路のコンデンサだ。 取り外したら、右上の1本に液漏れした痕があった。 用意したコンデンサ(左)は電源用の汎用品。 オーディオ用は大き過ぎて、基板のスペースに収まりきらないのだ。未交換だった電解コンデンサ全てを交換して作業完了である。  因みにこの機種のACアダプターのは、AC(交流)出力である。国内の製品では見かけないタイプで、一寸珍しい。 本体上側面にあるACアダプターの口には「AC」とは明記されていないが、電圧と電流が表示されている。 電流値まで書いてあるのは珍しい。  基板を見ると、JRC(日本無線)製の三端子レギュレータ7815A(+15V)と7015A(-15V)が載っているので、±15Vで動く事が分かる。 近くに整流用ダイオードが4本あるので、ここで直流化しているようだ。回路の動作電圧が高い為、DC(直流)出力にするとACアダプターのサイズが大きくなる事を懸念してAC出力にしたのかも知れない。  この整流回路を取り除けば一般的なDC出力のACアダプターが使えるようになる。けれど、+15Vと-15Vの両方が必要で、汎用ACアダプターで賄うのは一寸無理。やはり専用アダプターを使うのが正解のようだ。  後は元通り組み立てて完成である。  随分と時間が掛かってしまっ…

続きを読む

白いTLR200も復活!

 以前、キーケースを新調してキーも再作成した白いTLR200は、しばらくの間は良かったのだけれど、半月ほど経ったら「エンジンは掛かるけれど、時々失火する」という症状が出るようになった。  具体的には、(セルは付いてないので)キックでエンジンを掛けるといつもより掛かりが良くなくて、一応エンジンが掛かってアイドリングが安定しても時々「プスッ」と失火するのだ。「あれ?何で失火するん??」少しスロットルを開けてエンジンの回転数を上げると失火の症状は出ないが、スロットルを戻してアイドリング状態になると時々失火する。「何か変だなぁ。」試しに、自宅前の道路で10mほど走らせてみる。  エンジンは一応回るけど力が出てないよーな感じ。失火するタイミングは一定じゃないし、スロットルを開けても力感が無く、一応加速するけどいつもとは様子が全く違う。「こりゃ電気系がおかしいんか?」  CDIがおかしいのなら失火だけでは済まず、恐らくエンジンが掛からない筈。失火するとはいえエンジンは動くのだから、プラグが原因では無さそう。「という事は、イグニッションコイル?」  現代のバイクなら気にする必要はまず無いけれど、昭和50年代のバイクはイグニッションコイルも消耗品の一部。走行距離数は多くないものの、製造から40年経過している。だから、コイルが寿命を迎えてもおかしくない。しかし、古いバイクだから部品が出るかどうかは分からない。「参ったなー。でも、一応ネットで探してみるか。」  探し始めて数日経った頃、某所に「純正部…

続きを読む

TLM220R不動(その6:無事復活!)

(前回からの続き)  だいぶ時間が経ってしまったけれど(滝汗)、ずーっと何もしていなかった訳ではなくて、出来る作業をちょびちょび進めていたのである。  前回のテストでイグニッションコイルも怪しいと分かった為、イグニッションコイルをどうするか検討していた。  ガソリンで動くバイクなのだから、点火に必要な電圧は多分同じような値の筈。但し、4ストと2ストの違いがあるので、何でも使えるとは限らない。そうなると、例えば排気量は小さいけれど同じ2ストのNSR50用であれば、社外品も多く市販されている。  また、NSR50用という製品を良く見ると、大抵はモンキーやゴリラ等との共用部品である事が多い。ただ、コイル部の形状が違うので、取り付けには難儀しそう。  「うーん、どうしようかな?」と思っていたら、ネット上に「動作車両からの取り外し」というTLR220R用イグニッションコイルの中古品が売りに出されているのを発見!早速自宅へ送って貰った。 念の為にデジタルテスターで測定したけれど、全てサービスマニュアル上の値の範囲内だった。  取り外した方を同様にテスターで測定する。一次側の抵抗値はとても低い。 サービスマニュアル上の値と少し違うけれど、この程度は誤差の範囲内だ。 二次側を測定すると、やたらと抵抗値が大きい。 サービスマニュアル上の値とはかけ離れていて、誤差の範囲から大きく外れている。 二次側のコイルが経年劣化(又は消耗?)でダメになっているようだ。  分解したCDIは抵…

続きを読む

赤いTLR200が不動!(その2:軽く復活!?)

(前回からの続き)  我が家にあるトライアル車3台全てが不動の状態になっちゃってて「これは拙いなー。」手っ取り早く、子供が赤いTLR200から作業を始める。  その前に、改めてエンジンが止まるまでの状況を確認する。  練習場所は一寸泥濘の状態で、3度ほどフロントタイヤのスリップで人の歩くような速度で転んでいる。転んでも直ぐにエンジンは掛かったし、その後も普通に練習場所を走っていた。  が、唯一引っかかったのは「エンジンを止めて少し時間が経つとガソリンがキャブレターのオーバーフローパイプから流れ出て来る」という点である。因みに、走っている最中はオーバーフローは起きない。「オーバーフローするって事は、キャブ内部のどこかが詰まってるのかも?」  子供達がキャブレターを取り外して調べたら、一部のジェットに砂が詰まっていた、と。そこで、爪楊枝で突いて砂を取り除いて元通り組み立てたら、すんなりと直ってしまった。どうやら点火系の不具合では無さそうで、一安心...と思ったら、近くの空き地でテスト走行中にエンストを連発するではないか。「あれっ?まだどっかに不具合あるんかな??」  翌週、改めてキャブレターを分解したが問題無し。「変だなー?」と言いながら子供達がガソリンを補充したら、アーラ不思議、絶好調になるではないか。「へ?単なるガス欠??...ひょっとしたら、ガソリンコックかもよ!?」もう一台ある白いTLR200でも同じような症状が出た事がある。  それから...これはこのバイクに限…

続きを読む

再びペンタックス・デジタルスポットメーターの修理(その2:修理完了)

(前回からの続き)  お預かりしてからは、連日3分から10分程度接眼部をひねくり回していたのだけれど、どうにもこうにも動いてくれない。(滝汗)「どーしよっかなー?」とその度に考えていたのだが、妙案は浮かんでこなかった。  ところが、先日別件で小型万力を探していて「そういえば、接眼部も万力で固定すれば良いんとちゃう?」と思い付いた。 # 思い付くのが遅いんだよ。(^^;)  一寸時間が確保できたので、万力を部屋に持ってきて作業開始。接眼部外側にゴム板を当て、内側をウォータポンププライヤーで無理矢理回す。 万力とプライヤーで無理矢理掴む為、周囲に傷が入ってしまうがこればかりはやむを得ない。しばし格闘していたら「パキッ」という音と共に接眼部が緩んだ。「やれやれ、これで分解できるわ。」蟹目レンチを出して来て、接眼部のネジを外す。 次に、シリアル番号のプレートを外し、下にあるネジを外す。 これで分解できたが、基板を見てびっくり仰天!2か所あるネジ穴のどちらにもネジが無い!! 振ると「カタカタ」と音がする原因は、基板が固定されていなかった為だったのだ。 基板が両面なのは以前と同じだが、設計が変わったようで両面ともチップ部品になっている。 以前はロジックICを使った回路だったが、この基板はマイクロコンピュータに置き換えられている。 富士通の定電圧8bitワンチップマイコンMB89P131だ。 アナログ回路を止めて、わざわざプログラムまで用意してマイコンを載せた事になるのだ…

続きを読む