病院の変な求人

 地元の市民病院を時折利用するので、そのサイトも時々見ているんだけど、先ほど久し振りに見ていて「職員募集」の案内が目に留まった。失職中だと「募集」という文字に直ぐに引っかかるんだよね。(苦笑)募集要項に依れば、とある資格の所有者または取得見込みの者となっていて、年齢に関する制限は何も無い。文面からして、恐らく主任か係長の待遇を想定しているのであろう。
 担当する業務は、電子カルテ等の企画・運用・保守だそうな。これを見て「ははーん、そうか」と納得した。

 でっ、応募要件に必要な資格として挙げられているのが「医療情報技師資格」だ。一般社団法人日本医療情報学会が元締めらしい。システムエンジニアとして食べて行くのなら不要なものなので、拙者はそんな資格は見た事も聞いた事も舐めた事も触った事も無い。
# まぁ、喰い物ぢゃないから舐めたり触ったりしても何も分からんだらうが。(^^;)
早速調べて見ると、病院業務に関係する法律や業務の基礎知識を認定するというもので、資格試験が始まってまだ7年程度しか経っていない。一応コンピュータ関係の知識も含まれているが、昔の情報処理技術者「システムアドミニストレータ」のような「超」初歩的な内容に限られていると思われる。言い方を変えれば、病院に勤めていれば分かる程度にしてあるのだろう。
 資格は、「基礎知識検定」「医療情報技師」「上級医療情報技師」の3つがあり、其々に付いて「到達目標」が定められている。日本医療情報学会のサイトにはもっともらしいことが色々と書かれているが、所詮は筆記試験だけの資格だから、情報処理技術者(元締めは情報処理推進機構)と同様、資格取得者が持つ能力を認定するものではない。あくまでも字面(じづら)上だけである。
 資格の有効期限は5年とされているものの、その間に実業務としてそれなりのことを経験していれば延長されるという仕組みで、事実上は有効期限は無いに等しい。
 要するに、この資格は「無いよりは多少マシかも知れないし、持っていても無意味かも知れない」という程度だな。学会が自らの存在の意義を作る為にやり始めたんだろう。

 募集要項の中で、拙者が思いっ切り引っかかった所が一つある。電子カルテの導入をした経験があれば当たり前過ぎて忘れてしまっていてもおかしくないかも知れないけれど非常に重要な点について、どこにも記述が無いのだ。恐らくはこの要項を作成した担当者はそれを知らず、また、その上司達も同様に知らないのであろう。これは公務員組織で普遍的に見られる現象でもある。あな恐ろしや...

 この市民病院の電子カルテシステム導入には結構深くかかわっていたので、現状どうなっているかはほぼ見当が付く。恐らく二進も三進も行かなくなって、やむを得ず求人を出したのだろうが、この要項で必要な人材が得られるとでも思っているの...だらうナー。(苦笑)

この記事へのコメント

  • 猫持

    拙者はそんな資格は見た事も聞いた事も舐めた事も触った事も無い

    高橋新吉ですかな
    2010年09月13日 17:20
  • Rifle

    > 猫持さん
     ダダ?(笑)
    2010年09月13日 20:03
  • ブルル

    何処の病院か推測できますね(笑)
    二進も三進も!?システム → 担当者に丸投げだけは
    避けたいものです。
    2010年09月14日 13:11
  • Rifle

    > ブルルさん
    > 何処の病院か推測できますね(笑)
     ハッハッハ、気にしない気にしない。(爆)
     ここの体質からして、恐らくは採用した職員にハルマゲドン...じゃなかった、「丸投げドン」です。組織構造に無理があるから仕方ないでしょうけど。
    2010年09月14日 13:21
  • ブルル

    >丸投げドン

    TCSみたいですね。
    笑いました。
    2010年09月16日 12:33
  • Rifle

    > ブルルさん
    > TCSみたいですね。
     おー、なるほど。
     確かに言い得て妙ですなぁ。(笑)
    2010年09月16日 18:21

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