ちょいと分解:パソコン用ハードディスク

 以前にコルグのデジタルマルチトラックレコーダーD16XDの内蔵ディスクを交換したけれど、取り出したハードディスクはどうせ廃棄してしまうので一寸分解してみることに。
分解するハードディスク
MaxtorのUltra ATA/133タイプの40GBハードディスクで、かなり古い物である。
 裏返すと、インターフェイスの基板が見える。
ハードディスクユニットの裏側
古いとは言っても現代の製品なので、基板上は全てチップ部品になっている。その基板を外す。
ユニット裏側の基板を外したところ
ネジが小さなトルクスだが、トルクスの工具は持っていないので、ペンチで掴んで強引に外した。
 表にはシールが貼ってあるので、それを剥がす。
表のシールを剥がしたところ
周囲には密閉用シールが貼られているので、それも剥がす。
密閉用シールを剥がしたところ
また小さなトルクスネジが出て来た。ラジオペンチやプライヤーで外す。
表のトルクスネジを外したところ
蓋を外すと内部が見えて来る。
ユニットの蓋を外したところ
磁気ヘッドを押さえている金具も外す。こちらもトルクスネジだ。
磁気ヘッドを押さえる金具を外したところ
記録するディスクもトルクスネジで固定されているが、強く締め込まれていたのでラジオペンチで外すのにとても苦労した。
ディスク本体のネジを外したところ
ハードディスクを見ると、一遍問題無さそうに見える。
ハードディスクは一寸見では奇麗だ
しかし、拡大してよくよく見ると、磁気ヘッドが当たったと思われる非常に小さな傷が複数ある。
磁気ヘッドが接触してできたと思われるハードディスク上の小さな傷
ハードディスクは、中心に近い側にディスクの動作に必要な管理情報を書き込んでいるので、この部分が傷などで読み出しが出来ないと制御不能となる。よーするにゴミになってしまうのだ。

 ハードディスクを高速回転させているのは、この扁平なモーターである。
ハードディスクを回すモーター
このモーターも分解するのにかなり梃子摺った。
モーターを分解したところ
左側の黒い内周の部分が一寸弱めの永久磁石になっていて、対となる電磁石が起こす磁界で回るのだ。
ユニット本体には、フィルターが取り付けられている。
筐体に入っているフィルタ
磁気ヘッドとハードディスクとの隙間は10n(ナノ)mしかない。その隙間はタバコの煙の一粒のおよそ1/20程度と言えば、その狭さが分かると思う。だから、細かい埃をろ過するフィルタが必要なのだ。

 ハードディスクとモーターを取り払うと、残りの磁気ヘッドとそれを動かすネオジム磁石が見える。
ハードディスクを取り払ったユニット内部
 外した磁気ヘッドを拡大して見たけれど、傷らしきものは見られなかった。
磁気ヘッドを拡大して見たところ

ネオジム磁石は強力で、なかなかこれだけ強い磁力の磁石は手に入らないので、これを取り出したいのだが、トルクスネジが異常なほどの力で締め込まれていて、1時間ほどペンチなどで格闘しても外すことができない。仕方ないので、別件で立ち寄った工具屋さん「ストレート岐阜店」で序でに仕入れて来た。
ストレート岐阜で購入したトルクス用工具
これを使ったら、あれほど苦労したネジが1秒ほどで簡単に外れてしまった。(笑)これで、やっとこさ磁石を取り出せた。
ハードディスクユニットから取り外した磁石
今回の分解で流用できそうなのは、この磁石だけだ。
 この磁石は勿論とても強力なのだけれど、今回よりもさらに古いハードディスクから取り出した磁石はもっと強力だから、少々意外だった。

 久し振りにハードディスクユニットを分解した。構造は昔と変わらないけれど「年代と共に、あちこち省力化が進んでいるんだなぁ」と改めて製品の進歩を思い知らされた次第である。

この記事へのコメント

  • いっぷく

    やはり少しずつ傷などついてくるんですね。
    ハードディスクも永遠というわけにはいかないですね。
    今保存してあるデータも、そこが終の棲家ではなく、また
    どこかにバックアップしなければならないので
    もうこれからはdropboxとかネットのストレージサービス使うしかないかな
    なんて思っています。
    2017年07月16日 08:44
  • Rifle

    いっぷくさん
    形あるものはいずれ崩れますから、消えたら困るデータのバックアップは必須です。
    ネット上のサービスは便利ですけど、突然サービス終了という事態も考えられるので、拙者は月一回程度の割合で複数のUSBメモリに同じ物をフルでバックアップしています。
    2017年07月16日 17:58

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