以前の記事で少し触れたヤマハのトランジスタ・ギターアンプF100-212は比較的状態の良い物を安く手に入れた。古い機種だから安かったとはいえ、1979年7月に発売された当時の最高機種である。
スタジオの常設アンプがローランドJC120になる前は何処もこのヤマハFシリーズを使っていたそうで、今も愛用しているプロギタリストも多いらしい。
# 本体を撮影する前にばらしちゃったんで、全体の画像は後続の記事に載せます。(滝汗)
このモデルは、以前に修理したF50-112の100W&2スピーカー版である。
本体上にあるネジ4本を抜くと、回路部全体が引き出せる。
電源ケーブルを見ると年号が「1994」とある。
この機種は1980年代後半で製造を終了しているので、1994年頃に一度メンテナンスされているのかも知れない。仮に1994年の時点でオーバーホールされていたとしても既に20年以上経っているので、電解コンデンサは問答無用で全交換、ボリウムポットもスイッチもばらせる物は全て分解清掃する。
まず、下側ヒートシンクに収められている基板から作業を始める。
パワーアンプ部(電力増幅部)は、先日オーバーホールしたF100-115Bと全く同じ。ギターの音はプリアンプ部で作り出していることになる。
新たに交換するコンデンサ(画像右)は古い方(画像左)よりも小さい。
交換し終わると、一寸だけスッキリした感じとなる。
次はシャーシ内部の電源回路部だ。
いつも利用しているお店にオーディオ用無極性電解コンデンサの在庫が無くて入手できなかった為、在庫があった物だけ先に交換した。
プリアンプAチャネル基板と、
プリアンプBチャネル及びイコライザ部の基板も交換できるコンデンサだけ先に交換した。
次はボリウム類を全て外す。
まずは面倒なスイッチ付ポットから始める。スイッチボックスのツメを起こして分解する。
スイッチ部の部品を抜くとボリウム部も外せる。
案の定、スイッチの接点はグリスまみれになっている。
ボリウムの軸に塗られていたグリスが劣化して緩くなり、毛細管現象で徐々に広がったと思われる。このままでも一応電気信号は通せるけれど、決して良い状態とは言えない。エレクトロニッククリーナーで油分を洗い流し、NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨くと奇麗になった。
スイッチの接点部品は小さいので作業がやり難い。
接点を折らないようにマイナス精密ドライバーでゆっくりと隙間を拡げてからNeverDullで磨く。
磨いたら元の位置に嵌め込む。
ボリウム側もグリスが回り込んでいる。
抵抗体側もスイッチと同様に作業したら奇麗になった。
摺動部は、エレクトロニッククリーナーを吹き付けても表面の汚れは取り切れていない。
更にNeverDullで磨くと奇麗になる。
全て奇麗になったら、元通り組み立てる。
次は普通のボリウム(画像左)だ。
軸と摺動部は圧入で固定されているので、これ以上分解できない。
よく見ると、やはり抵抗体の表面にグリスが載ってしまっている。
分解できないので、抵抗体が見える隙間からNeverDullで少しずつ回しながら磨く。
内側に摺動体の接点があるけれど、どうやっても届かないので残念だけど今回は作業せずに元通り組み立てる。ボリウム全てを作業したら、元の基板にハンダ付けする。
部品が全部揃っていない為、とりあえず作業はここまでで一旦休止。部品が届いたら作業を再開しよう。
(続く)
この記事へのコメント
みうさぎ
これだけ部品が小さいと写真撮るのも
大変そう~です
Rifle
そうそう、一寸大変なんです。
コンデジで最短距離に寄っても大きくは写せないんで、レンズの前に高倍率シマミルーペを当てて撮影するんですけど、両手が必要だし近過ぎてストロボは使えないし、デジカメ本体の影が入っちゃうしで、かーなーりー面倒です。(笑)