(前回からの続き)
酷く劣化したXLRコネクタはイコライザ基板に繋がっている。
取り外して眺めるが、黒い樹脂の部分は触るだけでボロボロ取れてくる程脆い。
相当の高熱でないとこんな風にはならない筈。過酷な使用環境だったのか、あるいは漏電等で高温になったのか...???
コネクタを分解してみると、隙間にも溶けた樹脂が付着していた。
長時間熱に曝されていたらしい。配線の部分は一応使える状態だったけれど、触る度に黒い樹脂が崩れてくるようでは再利用は不可能、新たにコネクタを用意した。(画像右)「キャノン」という呼び名の元になったITT CANNON社製である。
たまたま入手したのがITT CANNON製だった。同じ形状の物は見つからなかったので、ネジ穴の位置が違うけれど仕方が無い。横から見ると、古い方が幾分細身で少し長い。
そのまま収まるかどうかは、実際に取り付けてみないと何とも言えない。
# 組み立て時に苦労しそうだなぁ...。
イコライザ基板にあるスピーカ機種切替スイッチはスポンジが貼られている。
スポンジは完全に劣化していて、触るだけで粉々に。
30年以上前の製品だから仕方ないが、それにしても劣化の度合いが酷い。全部剥がしたらようやくネジが見えてきた。
スイッチを分解すると、内部にも煤が付いている。
内部には油分も回り込んでいる。
エレクトロニック・クリーナーやNeverDull(ネバーダル:金属磨き)で清掃する。
全部品をクリーニングしたら元通り組み立てる。
作業し易いように、基板を固定する金具2枚も外す。
DC6V電源出力の部分は使うことは無いので取り払った。
パワーアンプ基板上の部品を確認するのに邪魔になるリレーを基板から外した。
このリレーは第一電機(株)のDH2SUで、アンプのスピーカー用リレーによく使われていた。序でなのでカバーを外してみた。
電磁石と接点だけというシンプルな構造である。肝心要の接点は黒く汚れている。
NeverDullで磨いてみたが、あまり変わらない。
電蝕で接点が痛んでいるようだ。再利用するのは一寸不安なので、何か代用できるリレーを探さねば。(汗)
# ネット上の情報に依ると、OmronのG2R-2が流用できるみたいだね。
ボリュームは端子が4本あり、11㎜サイズでかなり小さい。50kΩのセンタータップ付きで、このタイプは入手が難しい。
分解して内部を確認すると、油分が少し入り込んでいた。
接点がやや汚れている。
エレクトロニック・クリーナーとNeverDullで清掃したら奇麗になった。
元通り組み立ればOKである。
# ということは、もう片方の1702のボリュームも分解清掃した方が良かったのかも...??
基板のパターン面をデジカメで撮影して拡大した画像をプリンタで出力し、基板上の部品一つ一つをチェックして書き込む。
単純な作業の繰り返しで難しい訳じゃないけれど、部品に印刷された文字が煤けて見えなかったりして結構苦労し、何だかんだと半日以上かかった。
後は回路図を起こし、回路定数と実際の動作を睨めっこしながら不具合箇所を探すんだけど、結構時間がかかりそうだ。はぁ...(;..)/。
(続く)
続編:
BOSEのパワーアンプMODEL1702の修理(その3:回路図作成と不動の原因)
この記事へのコメント
みうさぎ
Rifle
えっ・・・そっ、そうです。(笑)