以前作業したD32XDに続いてD16XDも作業に取り掛かる。
D16XDと構造は同じだから、分解も楽だ。
基本的な作業はD16XDと全く同じである。違うのは、オプティカル・コンプ付きのチュープ・2chマイクプリアンプボードTPB-2が付いている事である。
まず、筐体から取り外す。
樹脂製パネルの下に金属パネルがある。
ネジを外して金属パネルを外す。
真空管も外すと、こんな感じ。
使われている真空管はエレクトロハーモニクス銘でロシア製の12AX7EHだ。
電解コンデンサは全て交換した。
ロータリースイッチも分解清掃する。
入力部の切替スイッチも一部動きが悪いので、まず一つ外して分解する。
案の定、接点は酸化して黒くなっている。
NevrDull(ネバーダル:金属磨き)で接点を奇麗に清掃する。
再び組み立てて基板に取り付ける。同じ作業を入力の数だけ繰り返す。
次はヘッドフォン出力ジャックの不具合を直す。具体的には接触が悪くて音が出たりでなかったりするのだ。
基板からジャックを外す。
海外製品では見た事のある構造だが、国内製品では初めてだ。
このままでは手も足も出ないので、端子を取り出す。
外した端子は、国産では珍しい形をしている。
やはり接点が参加して黒くなっている。
こちらもNevrDullで磨く。
全てのジャックを同じように作業する。
全基板を元通り組み立てれば完成だ。動作確認して、高音域の抜けが良くなったのを確認、これでOK...と思ったが、どうもファンの音が気になる。
近くにある子供のタワー型パソコンのファンと比べると、D16XDの放熱ファンの音はかなり大きい。レコーディング時、マイクから音が入ってしまうほどなので、流石に「これは一寸おかしいな」と感じた。再び分解して確認する。矢印で指しているのが、そのファンだ。
外して分解してみたら、軸がすり減ってグラグラになっていた。
動かしてみると、ファンで発生する風圧の勢いで軸が揺れてしまい、筐体がその揺れを音として増幅して大きくしていたらしい。
サイズはパソコン用冷却ファンと同じなので、ネット上を漁って同じサイズの中古ファンを安く仕入れてきた。
ちなみに、お値段は送料込みで5百円ほど。ファン側から見たサイズは同じ。
しかし、仕入れた中古は、厚みが倍ほどある。
新しい方のファンは12V前提だが、D32XD側は5Vだから、そのままでは「下手すりゃ動かんかも?」実験用電源を5Vにしてファンを1時間ほど動かしてみたが、風量も動作も問題無し。「流用しても大丈夫。」
金具では固定できないので、ホットメルト(グルー)で固定した。
力の掛かる場所ではないから、大丈夫だろう。ファンの配線を忘れずに接続する。
改めて組み立てて動かしてみると、かすかにファンの音がする程度にまで音量が下がった。これで作業は完了である。
大半はD32XDの作業と同じだから困ることは無かったけれど、コンデンサの足だけが基板に残ってしまい、なかなか抜けないのには参った。(汗)作業が無事終わって良かった。(笑)
D32XDもファンの音が大きくなっているので、そのうちに交換する積りだ。
この記事へのコメント
tama
16chだから16ヵ所でしょうか?それだけでも気が遠くなりそうです。
きょうはガスファンヒーターを引っ張り出しました。ガス管と電気をつないでスイッチオン・・・。火がつきません。
分解はできるところまで。そして掃除機で吸引しながらたまったホコリを刷毛で払います。
組み直してスイッチオン。すぐに着火しました。
作業があまりにも単純なのでブログの記事にもなりません。( ̄ω ̄)
Rifle
1chにコンデンサは複数使われていますから、16か所だけでは済まないですねぇ。
また、内容は単純でも書きようによってはブログネタになりますよ。(笑)
middrinn
D32XDは内部を接写された画像が、まるでSFに出てくる未来都市のようで、
ミクロマンになった気分でしたが、コレも接写されると同じ感じかも^_^;
Rifle
純粋に作業だけだと、1日当たり8時間として3日半ほどです。
未来都市!?うん、言われてみれば確かにそうも見えますねぇ。(^^;)