拙者より年寄りの古い扇風機は、3年ほど前に修理して以後問題無く動いていた。
ところが、数日前から風量を「3(弱)」にすると、羽根は一応回っているけれど殆ど送風できないほど回転が遅い。「2(中)」にすると少しは風が来るけれど、以前のような風量とは程遠い。「1(強)」にすると、前と変わらずかなり強い風が来る。「どうして...?とりあえず、分解してみるか。」
ひょいと持ち上げた時、ACプラグが僅かながらもグラグラするのが気になった。
「何でぐらつくんでしょ?」ネジを外したら、片側がポロリと落ちた。
ネジが緩んで外れ掛かっていたらしい。序なので、プラグ本体を万能クリーナーで磨いてみたら奇麗になった。画像右が磨く前、左が磨いた後だ。
改めてネジをきっちり締め込んでおく。
本体底面にあるゴム足は、経年劣化でカチコチになっている上に、擦り減ってネジの頭が出てしまっている。更に、1つはゴム足そのものが取れてしまっている。
ゴム足は別途ホームセンターかどこかで仕入れてくる必要がありそう。(汗)
底の蓋を外すと回路が見える。
ここにあるのは、進角用コンデンサと風量切替スイッチ、それに延長コード用ソケットの3点のみ。チョークが無いので、風量はモーターのコイルを直接切り替えているようだ。進角用コンデンサは見た目は問題無いけれど、60年近く経っているから近いうちに交換する方が良いかも知れない。念の為に容量を測ってみたが、正常な範囲内だった。
配線も問題は無いので、怪しいのは接点だ。風量切替スイッチを外す。
ネジ2本を外すと分解できた。
接点をボタンで押す構造だ。
AC100Vが直接かかる接点を押すからなのか、ボタンは全て陶器製でずっしりと思い。
万能クリーナーで軽く洗っておく。
接点は案の定真っ黒になっている。
NevrDull(ネバーダル:金属磨き)で磨くと奇麗になった。
ボタンを組んで元通り組み立てる。
板バネが入っていて位置が安定しない為、組み立てには随分と梃子摺ったけれど、何とか組み立てられた。
ここでAC100Vに繋いで動作を確認する。
以前よりは良くなっているけれど、やっぱり回り方が鈍い...と思っていたら、そのうちに止まってしまった。(汗)「ええっ、どうして?」少なくとも電気回路上は何処にも問題は無い。「何故じゃー???」何気なく羽根を手で回してみると、「うわっ、重い!」止まってしまった原因はモーターにあるようだ。そういえば、今までモーター部は分解した事が無い。
早速分解に取り掛かる。この機種はモーター一つで羽根と首振りの両方を動かしていて、後ろ側に首振り用のウォームギアがある。
蓋を開けたら、中はグリス?がドロドロになっていた。
部品も内部も全て奇麗に拭き取る。
更に分解して、押さえ金具を外す。
モーターの回転子を取り出す。
引っこ抜くだけなのだが、何故か固くてかなり手間取ったけれど、何とか取り出せた。
本体側を見ると、回転子の軸受けはベアリングではなくてメタル軸受けである事が判る。
嵌め合いがかなりキツメでグリスを使うのは良くないので、高潤滑スプレーを使う。
CRC-556のような灯油に近い成分だと短時間で流れてしまう為、頻繁に注油しないと駄目だから注意が必要だ。
ウォームギア部にはグリスをたっぷり付け、元通り組み立てて完成である。
AC100Vに繋ぐ前に、まず手で羽根を回してみる。「おぉ、軽く回る回る~!」AC100Vに繋いで動かすと、以前と同じように動き、おかしな所は何もない。上手く修理できたようでホッとした。古い製品は回路が単純なので、修理が簡単なのが有難い。
進角用コンデンサとゴム足と言う2つの課題は残ったものの、普段使いには全く問題無い状態に戻せた。めでたしメデタシ、である。
この記事へのコメント
みうさぎ
(^-^)v
tama
昔、実家にあった扇風機を思い出しました。古くなって回転が遅くなるとモーターが熱を持っていた記憶があります。あのときこうやって分解していれば、買い替えることもなかったのに・・・。
Rifle
単純な回路で構造も複雑じゃないんで直せました。(笑)
tamaさん
今どきの扇風機は温度ヒューズが入っていますけど、昔の製品には入っていないのでモーターが熱持つのはかなり危ないですが、メンテすれば大抵直っちゃいますね。
Take-Zee
一時はもうダメかと思いながらも・・
モーター部までメンテでOK・・さすがです!
Rifle
モーターの構造は単純で、ローター部が簡単に取り外せるので何とかなりました。今どきのDCモーターだったら、多分こうは行かないでしょうねー。