随分前に中古で仕入れてあったBOSSのエフェクターROD-10は、音を出してみて「うーん、一寸高音が弱いかな?」という感じで、そのまま放置してあった。
先日部屋でガサゴソ探し物をしていて久し振りにROD-10を目にして「高音域たっぷりなSJ-800を繋いだらどうなる?」探し物はそっちのけで(笑)早速音を出してみると、以前と同じで高音が弱く、今一つ抜けてこない。「はぁー、やっぱ抜けが悪いなぁ」と納得。別の回路修理の為に部品を取り寄せる時に、一緒にROD-10用の部品も取り寄せる事に。
BOSSが1985年に発売したマイクロラックシリーズは、名前の通り1Uラックの半分のサイズに収めたエフェクターのシリーズだ。お値段もラックタイプほどではないものの、最低でも1万8千円と高額だった。当時のコンパクト・エフェクターは新品でも7千円程度からあったから、拙者の周囲で使っている人は一人も居なかったなぁ。
このシリーズの生産終了後、楽器店で値引き販売が始まったのだけれど、ちょうどその頃に人生初のフレットレスベースを手に入れて「グライコとディレイが欲しい」と思っていた。当時通っていた楽器店でも在庫処分セールをやっていて「よっしゃー!買ったるぜぃ」と、このシリーズの10バンド・グラフィック・イコライザRGE-10とデジタル・ディレイRDD-20を手に入れたのだった。どちらもよく使ったけれど、WAL5弦フレットレス購入の為に手放してしまった。今になって「売らずにそのまま手元に残して置けば良かったなー」と思う。
部品が揃ったので、分解に取り掛かる...といっても、側面のネジを外すだけだ。
底面中央のネジは、何も固定していないので外す必要はない。
上面を外すと基盤が見える。
そのままでは基板を外せないので、ノブを全て外す。
フロントパネルを外して、
内側にあるボリューム固定ナットを外す。
すると、基板が取り出せる。
基板は、結構な密度で部品が並んでいる。一部の電解コンデンサは頭が少し膨らんでいた。30年以上前の製品だから、まぁ仕方あるまい。
電解コンデンサ全てをオーディオグレード品に交換し、ボリューム類も全て外して分解清掃する。
2連ボリュームだけは手持ちの工具では分解できず、できる部分だけ清掃した。
メンテナンスし終えた基板はこんな感じ。
信号経路以外も全てオーディオ用に交換したけれど、これは単に回路図を追うのが面倒だったからで、深い意味は無い。(笑)オーディオ回路では、強誘電体による歪みを嫌ってセラミック・コンデンサを別の種類に交換するのが普通だったりするのだけれど、今回はあえてそちらは交換しない。原音を歪ませるエフェクターなのに、歪みを避ける為の部品交換って何だよ?と思うので。(笑)
# MODと称して、フィルタ定数を少し変えたりコンデンサをオーディオグレードに
# 交換したりしたエフェクターを高額で売る商売もあるみたいだな。
基板のサイズの割には、交換したコンデンサの数が多い。
回路の規模がそこそこあるので、交換した数も多くなった。後は元通り組み立てれば完成である。
早速音を出してみると...ウンウン、籠ったような感じが無くなってスッキリした。目出度しメデタシ、である。
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