(前回からの続き)
太陽電池一枚でどの程度電気を貯められるのか、テストする。太陽電池→ダイオード(逆流防止用)→電気二重層コンデンサと接続し、薄曇りの日の日の出前からお昼まで東側の窓に置いて充電させる。
使うダイオードは電圧降下の少ないゲルマニウムダイオードを使う。テスターで測ってみると、0.3V弱。
一般的なゲルマニウムダイオードは0.2Vから0.3Vの範囲だから、ギリギリその範囲に収まっている。
序でに他のダイオードも測定してみた。何か廃棄する電化製品から外したシリコンダイオード(型番不明)は0.5V強。
一般的なシリコンダイオードは0.6Vから0.7Vの範囲だから、やや低い値だ。
ショットキーバリアダイオードは更に低くて0.4V弱。
その構造からスイッチング特性が優れているので、主にスイッチング電源で使われている。シリコンダイオードよりも電圧降下が少ないので、電源回路の効率向上にもなる。
更に色々なダイオードを測ってみたら、0.15V弱という物もあった。
電圧降下を極端に抑えたタイプのダイオードだ。このタイプは、使い方によっては熱暴走を起こすので注意が必要だが、今回のような使い方なら全く問題無い。
太陽電池の電圧が3V近くあるので、ダイオードで電圧が落ちたとしても2.4V程度の電圧が電気二重層コンデンサにかかる。発光開始電圧の高い白色LEDは無理だが、緑のLEDなら点く筈。試しに直接緑LEDを繋いでみたら、やっぱり点いた。
しばらく点けたままにしてみたが、1分経ってもまだ点いている。LEDの光量から、流れている電流は0.5mA程度と思われるが、実際に測った訳じゃないから分からない。
「それじゃぁ」と、翌日丸一日東の窓に置いて充電させ、LEDをどれ位点けていられるかを試してみた。
充電時の回路は前回と全く同じ。LEDは高輝度でない安価な汎用の緑LEDを使う。テスターで直接電流を測ると、テスターの内部抵抗が大きくて電流が少な過ぎてしまうので、電池とLEDの間に4.7Ωの抵抗を電流検出用に入れてテストした。テスト開始時の電気二重層コンデンサの電圧は1.758V。
緑LEDは、初めの1分はそこそこ結構明るく点いていたけれど、時間が経つに連れて徐々に暗くなって行く。
そのままの状態で4分経過したら、かなり暗くなって影を作らないと点いてるのかどうかが分からなくなってきた。
電圧が0.02V落ちている。
更にそのままの状態で10分経過したら、緑LEDは辛うじて点いているのが分かる程度となった。電流検出用の抵抗に掛かる電圧は、たったの0.1mVしかない。
この電圧から計算すると、流れている電流は0.2mA前後となる。
初めてやってみた実験だけど、「電気二重層コンデンサって、案外電気を貯められるんだなー」というのが率直な感想である。
今回使ったのは0.1Fの容量しかないので、これで時計を恒常的に動かせるかどうかは分からない。特に、夜間停止していた秒針を朝明るくなってグルっと動かす時には結構な電流が必要となる筈なので、それに耐えられるだけの電力を日中に貯められるかどうかが問題となりそうな気がする。
だけど、何となくではあるけれど「何とか太陽電池だけで動かせそう」という気がしてきた。そろそろ時計への組み込みを考えるとするか...。
(続く)
この記事へのコメント
みうさぎ
スゴイこと起こりそう~
と期待して良いかな(´艸`*)
Rifle
今材料を集めているところです。
色々考えなきゃならん事一杯ですが、そのうち記事にまとめられる...と思いますです、ハイ。(^^;)