先月手に入れたAriaPro2のスルーネック・モデルRS-X70は、電気系統に接触不良があるみたいで音が出ない。金属部は錆が多く、全体的に薄汚れているので、素人の拙者が出来る範囲でオーバーホールする。
錆びた弦を外し、ブリッジとテールピースを外す。
ボディ側を見ると、収まっていた部分には導電材が塗ってあり、アースを取る配線もある。
随分と手の込んだ事がしてあるなぁ。
金属部を磨くのにコンパウンドをよく使うのだけれど、生憎艶出し用の微粒子液体タイプしかない。これを使って磨くととても時間が掛かるので、ペースト状のコンパウンドをホームセンターで仕入れてきた。
テールピースの右半分を磨いたら、こんな感じになった。なお、金色は塗装なので、コンパウンドで磨くと取れて銀色の下地が出る。
スタッドボルトも、磨くとそこそこ奇麗になる。材質は真鍮らしい。左が磨く前、右が磨いた後だ。
ブリッジは、ネジの先端が加締められている為、これ以上分解できない。
仕方ないので、指が届く範囲を磨く事にする。加締められた先端部の右半分が磨く前、左半分が磨いた後である。
スタッドボルトも磨く。こちらも材質は真鍮のようだ。左が磨く前、右が磨いた後。
ペグ(糸巻とも言うらしい)も全て取り外す。
コンパウンドで磨くと多少奇麗になる。左が磨く前、右が磨いた後である。
金色塗装の下のメッキが痛んでいる上に、メッキ前の下地が平滑ではない為、どれだけ磨いてもピカピカにはならない。古いメッキを剥がして地金をピカピカに磨いてからメッキし直せばピカピカになるけれど、そこまでやると非常に大変なので、今回は磨くだけに留める。
ストラップ・ピンを抜いたら、木ネジが少し曲がっている。
メッキが錆びて全体的に白っぽくなっている。
ペンチで曲がりを修正してからコンパウンドで磨いたら、まぁまぁ奇麗になった。
ピックアップを外したら、裏に何やら刻印がある。
どういう意味があるのかは分からない。
エスカッションも外して磨く。右が磨く前、左が磨いた後だ。
何故だか分からないのだけれど、ボディ全体が薄汚れている。
濡れティッシュで拭いても取れないので、タバコの脂か何かだろう。ボディ全体をコンパウンドで磨いたら奇麗になった。
なお、一寸細かい程度のコンパウンドなので、細かい傷までは取り切れない。液体コンパウンドと超微粒子タイプのコンパウンドで磨けば鏡面仕上げにできるけれど、莫大な時間が掛かるし、そこまでしようとも思わないので、この程度に留めた。
次はフィンガーボード(指板とも言う)である。
まずはフレットを磨く。フィンガーボードを傷めないよう、手近にあった養生テープの切れ端を使って保護する。
一本ずつコンパウンドで磨く。
フレット全部を磨き終わったら、フィンガーボードをレモンオイルでクリーニングする。一回目はぼろいタオルで軽く拭いただけで汚れが付いてきた。
ローズウッドのフィンガーボードはメンテナンスされていなかったようで、レモンオイルを塗ったら(左半分)黒々とした色になった。
古歯ブラシでレモンオイルを塗ったのだけれど、一回目の作業を終えたらブラシが真っ黒になった。
レモンオイルでクリーニングを9回繰り返したら、ようやくボロタオルに付く汚れが薄くなった。
古歯ブラシを見ると、確かに徐々に色が薄くなっている。デジカメ画像では分かり難いと思うけれど、肉眼だと結構はっきり分かる。右が初回、左が9回目で使ったブラシである。
完全に奇麗になった訳ではないけれど、一応見た目にはそこそこ奇麗になったと思う。
ナットはブラスなので、序でにコンパウンドで磨いておいた。
ピックアップを含む電装系を除く全ての作業はこれで完了。次は、いよいよ音が出ない原因の追究と修理だな...。
(続く)
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