(前回からの続き)
少々間が開いてしまったのだけれど(汗)、オーバーホール作業を始める。先ずはスイッチとスライドボリュームから。
基板から取り外して
分解する。
昭和の時代の製品だけに、接点は黒く汚れている。
NevrDull(ネバーダル:金属磨き)で奇麗に磨いて、元通りに組み立てておく。
一通り終わったら、劣化した電解コンデンサを取り換える。容量の小さいコンデンサは見ただけでは劣化しているかどうかは分からない。
けれど、30年以上経過しているので、問答無用で交換した。
コンデンサの数が多いと交換するのも結構な手間となる。
筐体は汚れているので、外して台所用洗剤で洗った。
電源ボタンがグラグラするのでよく見たら、付け根が割れている。
G17ボンドで接着して丸一日放置したら、ちゃんとくっ付いた。
上面パネルも汚れているので、分解して洗う。
スピーカー部は裏側からネジで留めてあるだけだ。
分解したら、結構埃が溜まっていた。
スピーカーグリルが凹んでいるところは、慎重にたたき出して修正した。
スピーカーはソニー製だ。
電解コンデンサも新しくして元通りに組み立てる。
アンテナを分解すると、状態はそこそこ良さそう。
ワッシャーは表面が少し酸化しているので、磨いて奇麗にしておく。見ればわかると思うけれど、左が磨く前、右が磨いた後である。
一通り作業を終えたら、元通りに組み立てて完成である。
作業は終わったけれど、日立TRKシリーズやBOSEのAW-1とは音の傾向がかなり違う。やや元気な音、所謂「ソニーサウンド」である。
聴感では中音域と高音域を少し盛ったように聞こえるけれど、自分の耳だけでは説得力が無いと思う(滝汗)ので、ちょいと測定してみる事に。使うのはNTIのMR-1・ベリンガーのECM8000とDEQ2496である。
なお、ECM8000は実測校正していないし、DEQ2496も同様なので、あくまでも参考と言う位置付けである。MR-1の出力は+4dBuで、一般的なオーディオの-10dBVではないので一寸注意が必要だ。
まず、測定環境で音を全く出さない状態で測定する。
これが機材も含めた環境雑音である。
次にあんまり使い道は無いのだけれど、ホワイトノイズで計測してみる。
まぁまぁ予想通り・・・かな?
さて、本来のピンクノイズで測定すると、こんな感じ。
見事に蒲鉾型の周波数特性となっている。
手作業なのでかなりいい加減なのだけれど(汗)、ピンクノイズ測定結果から環境雑音分を引き去ると、大まかな周波数特性が見える。
ウーファーは20cmだけれど、筐体サイズは決して大きくない為、低音域はスコンと削れている。エレキベースの4弦開放(最低音)は41.203Hzだから、4弦ベースの音ですらまともに再生できない。コスト制約が厳しいラジカセに低音を求める事自体が無理なんだろうねー。
ツイーターがあるお陰なのか、高音域はそこそこ伸びている。メタルテープ発売前だから、これだけ高音域が出ていれば十分という気もするなー。
結局ラジオ左側の音が出ない不具合は相変わらずだけれど、とりあえず普通に使える状態となった。目出度しメデタシ、である。
(完)
この記事へのコメント
歳三君
30年以上も前だと配線が多いですねw
Rifle
当時はチップ部品も高かったんで、単層基板で実装密度が低いんですよね。
でも、そのお陰である程度はメンテナンスできます。
ただ、配線は外す時に全部記録しておかないと「この線ってどこに繋ぐんだっけ?」ってなっちゃったり。(汗)