ヤマハSL-800のレストア作業(その1)

 入手したSL-800を早速レストアする。極力費用をかけずに使える状態にする方向で作業を進める予定である。

 まずは外せる分は全て外す。まずはリアピックアップから。
リアピックアップ
外すと言っても、ネジ4本を外してエスカッションごと引き上げるだけ。
リアピックアップを外したところ
裏面の刻印とシールで、独Epiphone社製LP(レスポール)ブリッジ用と判る。
エピフォン・レスポール用リアピックアップ
フロント側は、何故か金属カバーが無い。エスカッションを固定するネジの太さも違っている。
金属カバーの無いフロントピックアップ
外すと、こちらも刻印とシールがある。
エピフォン・レスポール用フロントピックアップ

 次にボリュームポット類を外す。このハンダ付けを見れば、プロの仕事ではないと判る。
このハンダ付けは素人作業
トーンポットに使われているコンデンサはセラミックではなくてマイラーだった。
トーンに使われているのはマイラーコンデンサー
使われているポットは4つともNOBLE(帝国通信工業株式会社)製。
NOBLE製
ボリュームポットは500kΩ。
ボリュームは500kΩ
トーンポットは300kΩ。
トーンは300kΩ
アウトプットジャックプレートは、ナットも含めてゴールドになっている。
ジャックプレートもナットもゴールド
フォンジャックは劣化して大きく歪んでおり、再利用しない方が良さそうだ。
ジャックは歪んでて再利用不可

 ピックアップ切替スイッチを外したら、何故か穴周辺に汚れが付着していた。
スイッチ穴周辺が汚れている
粘度の高い物が乾燥してこびり付いたような状態。細い精密マイナスドライバーで慎重にこそげ落とした。
汚れを取ったところ
切替スイッチはあまり見た事のない形状をしている。ツマミは失われている。
見慣れない形状のスイッチ
刻印を見ると「Ando」とあるので、国産メーカの部品らしい。
「Ando」の刻印
劣化しているようで切り替え時の感触がカチッとしておらず、ぬるりと動く感じ。本体横にアースの配線がある。
スイッチ本体にアース配線
現在はわざわざここにアースを取るという事はしないが、昭和の時代に製造された国産モデルはこのような配線になっている物がとても多い。
分解してみたら、真鍮の板を曲げただけの単純な構造をしている。
電極は真鍮を折り曲げただけ
奥まっている軸が真鍮の板を押すとそちら側の接点が開いて導通が無くなるという仕組みである。
奥に軸が見える
一応接点を磨いて元通りに組み立てておく。

 ペグ(糸巻き)はヤマハ製。
ヤマハ製ペグ
メッキがかなり傷んでいる。6個全部を外してみると、どれも同じような状態。
表側となるワッシャーは磨いてみると少し奇麗になった。左一列が磨く前、右に列が磨いた後。
左が磨く前、真ん中と右が磨いた後
長いナットも磨いたら、一寸だけきれいになった。左一つが磨く前、残り全てが磨いた後。
左が磨く前、残りが磨いた後
ペグ一個を磨いてみたけれど、メッキが痛んでいるせいかあまり奇麗にならない。左一つが磨いた後、残りが磨く前。
左が磨いた後、残りが磨く前
手間暇を惜しまないのなら、一つ一つを全てバラバラに分解して劣化したメッキを剥がしてから再メッキすれば新品同様になる。けれど、費用も時間もかかるので今回はやらない。

 テールピース(ストップバー)もメッキが痛んでいる。
メッキが痛んでいる
それなりの重さがあるのでアルミ製ではなさそう。
 ブリッジはABR-1タイプのT.O.M(Tune-O-Matic)だが、こちらもかなり劣化している。ネジも純正ではない。
TOM・ABR-1タイプのブリッジ
通常ここに一般的なプラスネジは使わないので、何らかの理由で交換したと思われる。

 パーツ類を全て外したのでいよいよ本体を磨くんだけど、これが大変なのよねー・・・。(滝汗)

続く

この記事へのコメント

  • Take-Zee

    おはようございます!
    昨日、神奈川県にある津久井湖に行ったら
    到着と同時に爆雷と爆雨、えらい目に遭遇
    しました (゚o゚;!
    2024年07月25日 08:47
  • ぼんぼちぼちぼち

    さすが、すごい分解作業!
    本体を磨くの、大変なのでやすね。
    頑張ってくださいでやす!
    2024年07月26日 10:20
  • Rifle

    Take-Zeeさん
    まずはご無事で何よりでした。 昨日こちらも激しい雷で、落雷の度に家が揺れるほどでした。(汗)

    ぼんぼちぼちぼちさん
    お心遣い有難う御座います。
    大きさも重さもそれなりにあるので分解は一寸面倒ですが、慣れてくると案外サッサとできるようになります。
    ただ、 拙者の場合ほぼ手磨きなので、とにかく時間が掛かるんですよねー。(x_x;)
    2024年07月26日 13:16
  • 黒顔羊

    古くてもYAMAHAの楽器はそれなりによく鳴りますよね。
    私が使っているウィンドシンセ用のアンプは、昭和に作られたヤマハのベーアンです。
    YAMAHA AR-1500BASS、オークションで2,000円で落札、運賃の方が高かったです。
    ギーアンと違ってイコライザー特性がフラットなので使いやすいです。
    古くてもさすがヤマハ、最新の安物キーボード用アンプよりよほど楽器りらしい音がします。
    2024年07月27日 08:15
  • Rifle

    黒顔羊さん
    当時は楽器メーカーに勢いがありました。
    だからなのか、当時の製品はどれもしっかりしてて、今でも十分通用するものばかりです。
    でも、ベーアンは年代を考えるとオーバーホールする方が良さそうですね。
    2024年07月27日 16:24