丸裸となったSL-800本体を液体コンパウンドでひたすら磨く。子供から電動ドリルを借りて使ってみたのだけれど、どうも上手く行かない。仕方ないので、手作業で磨く。ボディ裏側から初めて一時間でこの程度。
磨くと初めのうちは薄黒い汚れが付いてきた。煙草のような臭いがするので、前所有者は喫煙者だったのかも知れない。
黒い汚れが付かない部分でも、磨くと黄色い汚れが付く。
劣化したクリア層なのかも。
丸一日かかって裏側全体を磨き終えた。
更にサイドも磨き、ヘッドも磨いた。ヘッドもやはり黒い汚れが付いてきた。
なお、ネック裏側はあえて磨かない。サラサラした手触りなので、そのままの方が良さそうだからだ。
磨き終えたら電装系に取り掛かる。
「どうせならヤマハ製ピックアップを載せたいよなぁ」と思い、中古のピックアップ(TAPできる四芯の物)のセットをネット上から安価に拾ってきた。が、サイズが違って取り付けられない。
黒い方が入手した中古ピックアップで、元々はRGXというモデルに付いていた物。比べると、僅かだがエスカッションの幅が違う。
「同一メーカなら互換性があるのでは?」と考えていたのだが、甘かったようだ。仕方ないので、元々ついていたEpiphone製を使う。
改めてEpiphone製を眺めてみると、ピックアップコイルの内部配線が見える。
「これなら四芯化できる」と思い、分解する事に。
まず、ネジになっているポールピースを抜く。
蝋がタップリ付いている。エスカッションから外してベースプレートからコイルを剥がす。
二つのコイルを接続する配線が判った。
蝋でくっついているコイルを剥がしてみると良く分かる。
コイル同士を接続している白い配線を途中でカットして引き出せば四芯化できる。
リアピックアップを分解する前に、一寸テストしてみる。ピックアップは弦の振動に反応して電力を発生させてそれが音となるんだけれど、手元にあるメーターに直接接続してどの程度針が振れるのかを見る。
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ちなみに、このメーターは故障したラジカセから取り外した物で、フルスケール500μAである。
極僅かしか針が振れないので、ピックアップの起電力は数μA程度しかないみたい。メーターの抵抗値から計算すると数mVの電圧が出ている事になる。
リアピックアップはカバーがハンダ付けされているので、カバーを外す。W数の大きな半田ゴテがあれば良いのだが、生憎持っていない。なので、手持ちのハンダゴテで大雑把にハンダを取り除いたら、ハンダでくっ付いてる部分を金鋸でできる限り切り離す。
金鋸で切れない部分はマイナスドライバーを叩き込んで強引に外す。
何とか外せた。
中のコイルは蝋まみれになっていた。
市販のピックアップだとこのような状態にはなっていないので、多分前所有者が自分で溶かした蝋に放り込んだのだと思う。
# 蝋漬けするのは、ハウリング対策の為。
コイル裏側にも蝋がタップリ。
作業の邪魔になるので、余計な蝋を削り取る。
四芯化に向けてコイルの配線を切断する。
両方のピックアップ共配線をカットした。
序に、ここで各コイルを測定しておく。まずはフロント側から。
テスターがコイルと認識してくれず、抵抗値のみの測定になっている。(汗)どちらも4.5kΩ前後で、シングルコイルとして考えても抵抗値がかなり低いのが気になる。
次はリア側だ。
どちらも7.3kΩ程度で、シングルコイルとして考えても抵抗値はやや高めと言う感じ。
これで四芯化の準備が出来た。けれど、専用の配線材が必要なんだよねー・・・。
(続く)
この記事へのコメント
ぼんぼちぼちぼち
これに、専用の線が必要となるのでやすね。
Rifle
ピックアップキャビティやコントロールボックスなど、配線の通る部分に導電塗料が塗られていれば普通の配線材でOKなんです。
今回のようにノイズシールディングが行われていない場合は、面倒でもシールド線を使わないとノイズを沢山拾っちゃうんですよねぇ。
四芯のシールド線を扱っている所が少ないので、ネット上を探し回る事になりそうです。