ヤマハSL-800のレストア作業(その4)

前回からの続き)

 配線を済ませたコントロールキャビティは、配線が少ない割にはゴチャゴチャしているなぁ・・・うーん。(汗)
コントロールキャビティ
勿論、トーンポットに配線はしていない。
 時間が経つと忘れてしまうので、ピックアップコイルの配線も含めて紙に書いてキャビティの蓋内側に貼っておく。
配線記録を貼ったところ
こうしておけば、次回配線を弄る時に困らない。キャビティの蓋を閉めれば電装系の作業はお終いである。

 ペグを取り付けて弦を張れるようにする。
ペグを取り付けたところ
ボディは大雑把に磨いてあるのだけれど、間近で見るとクリア層の白濁が少し気になる。
塗装の白濁
少し離れると見わけが付かない程度だし、これをきれいにするとなるとクリア層を剝がして再塗装になって大変なので、ここはあえて気にしない事にする。(汗)
# この時代のヤマハって白濁する事が多いいんだよねー。

 最後にフィンガーボードの手入れである。
 先ずはフレット磨きから作業する。画像左二本が磨く前、右二本が磨いた後である。
左が磨く前、右が磨いた後
磨くと多少は奇麗になるけれど、ピカピカにはならない。「何でぇ?」と高倍率ルーペでみたら、フレットの頂点成形がかなりいい加減で、しかも鑢の跡が残ったままだ。
鑢の跡が残ったまま
道理でピカピカにはならない訳だな。ちなみに、このフレット成型はプロの仕事ではない。多分、前所有者が自分でフレット擦り合わせをしたんだろう。
 フレットを磨いたら、フィンガーボードをレモンオイルで清掃・加湿する。画像は11フレット迄オイルを塗って清掃したところである。
レモンオイルで清掃中
清掃したら一旦拭き取って、改めてレモンオイルをタップリ塗り込み24時間放置する。
 翌日確認したら、うっすらとオイルが表面に残っている状態だったので、前所有者はそれなりに手入れをしていたみたいだ。残っているオイルを拭き取って、フィンガーボードの作業は完了である。

 いよいよ弦を張る。いつも使っているROTOSOUNDステンレス弦は生憎在庫が無いので、代わりにERNiE BALLのステンレス弦を使う。
アーニーボールのステンレス弦
弦を張る時にペグを何度も回すのが面倒なので、今回新たな兵器「ストリングワインダー」を投入した。
# と言っても300円程度だけどね・・・。(^^;)
用意したストリングワインダー
このお陰で、弦を張るのにかかる時間は大幅に短縮されて大助かりである。
 弦を張ったらブリッジでオクターブチューニング、テールピースでテンションの調整をする。
ブリッジでオクターブチューニング
ブリッジが劣化してて動かし難い上に、ポストが汎用品の流用でオクターブの調整にかなり手間取った。テールピースはいつも一番低い位置に調整しているので、今回も同様にする。
 ブリッジ側のポスト(プラスネジの部分の事)の長さからくる制約もあってかなりやり辛く、あーでもないこーでもないと調整した結果、何とか普通に弾ける位置に辿り着いた。
調整後の弦高
これで作業は全て完了である。

 早速モニターアンプのローランドMA-5に繋いで音を出してみた。
 リアピックアップはハムバッカーもタップ(シングルコイル)も両方正常に音が出る。頼りない動きをするピックアップ切替スイッチも正常だ。
 問題はフロントピックアップで、ハムバッカーもタップも音がかなり小さい。通常は小さい筈のリアの音量の半分も出てないという感じ。(滝汗)前回ピックアップコイルの抵抗値が低い事を懸念してのだけれど、やっぱり当たってしまった。(--;)
 入手した時点でフロントピックアップのカバーが外されていたのだけれど、ひょっとしたら音量差を少しでも減らそうとして外したのかも知れない。因みに、カバーを外しても音量は殆ど変わらないのだが、前所有者はそういう事を知らなかったのだろう。

 メンテナンス作業は完了したけれど、肝心要の音の方が宜しくないという結果になってしまった。ウーム、どうしてくれようぞ・・・(--;)

(一応、完・・・の積もりが続く






この記事へのコメント

  • ぼんぼちぼちぼち

    前に作業をした人が、プロか否かまで解るとは、さすがでやすね!
    結果的に納得のいく音が出なかったとは、ちょっと残念でやしたね。
    2024年08月07日 13:01
  • Rifle

    ぼんぼちぼちぼちさん
    ギター工房から直接エレキを購入した時、楽器店と比べて圧倒的な仕上げの凄さを目にして以来、その差が判るようになりました。
    ギター本体はしっかりしていると思うので、何かしら対策を施そうと考えています。
    2024年08月07日 15:31