まだガラゲーが普通に現役の頃に販売されていた物だ。
太陽電池付きで日の当たる場所に放置しておけば充電される。けれど、1年ほどで内蔵バッテリーがダメになったらしくて充電できず、そのまま部品箱に放り込まれたまま眠っていた。
改めて調べてみたら株式会社エアージェイ が販売元で、品名は「中越SB-DAS35」、2011年6月販売開始だったようだ。
また、この製品は不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)第6条に基づいて2013年11月に消費者庁から措置命令を受けていたらしい。
ガラゲー用なので、充電用コネクタの形状は勿論USBではない。
もう使い道は無いのでそのまま処分しても良いのだけれど、「中ってどうなってるん?」と気になったので分解する事に。
樹脂製の本体の合わせ目に精密マイナスドライバーを差し込み、かなり強引に抉ったら開いた。
分解を前提としていない構造だな。
太陽電池の表面は樹脂が劣化してザラザラになっていて、両面テープも粘着力が弱って剝がれかけている。
使われているリチウムイオン電池は3.7V350mAh。今では役に立たないほど小さな容量だが、当時はこれでも使い物になったのだ。
内部が膨張して歪な形になっている。
こんな状態になってしまうと、もう使えない。
内部基板はアナログ回路だ。
デジタル回路が皆無なのが、如何にも当時の製品と言う気がする。全部ばらすと、こんな感じ。
太陽電池の表面を液体コンパウンドで磨いたらまぁまぁ奇麗になったので、一寸測定してみた。
直射日光を当てた状態だと5.5V弱の電圧が出る。
リチウムイオン電池の規定電圧は3.7Vだから、充電する電圧はそれよりも少し高い必要がある。それに、今はUSB電源が大流行りだから、そういった機材への流用も考えると5V強という電圧がちょうど良いんだろうねー。
短絡時の電流は20mA程度で、サイズに見合った量だと思う。
電池容量が350mAhだから、単純に計算すると
350÷20=17.5hとなる。
しかし、実際には充電が進むにつれて電池電圧が高くなり、それに伴って充電電流も減ってゆくので、満充電には20時間以上かかると思われる。
内部基板は充放電の制御用だが、部品点数を見る限りでは単純な制御のみのようだ。
裏側はすっきりしている。
この基板から回路図を起こそうと思えば出来る。けれど、今は充電制御専用のICが100円弱で手に入るので、そこまでする必要は無いだろう。
今回の分解で流用できるのは太陽電池のみ。リチウムイオン電池は廃棄出来ないので、指定された場所に持ち込んで処分して貰う。
太陽電池が小さくて満充電までには時間が掛かるが、当時はそこそこ使えていた。それだけ当時のガラゲーは消費電力が少なかったのだ。
今回分解してみて、改めて「今のスマホは本当に電気喰いだなー」と感じた次第である。
この記事へのコメント
ぼんぼちぼちぼち
そういうことすら知らないぼんぼちでやす。お恥ずかしい、、、
Rifle
問題無く動けばアナログかデジタルかなんて普通は気にしないですもんね。
気にするのは回路技術者や拙者のような分解好き(ん?)位と思います。
今時はマイコン使って回路簡略化が普通ですが、当時はまだマイコンの方がコスト高だったんでしょう。