モノキュラーTurmonの簡単な修理

 先週某オークションで、掌サイズモノキュラー(単眼鏡)を仕入れた。
仕入れたモノキュラー
何故かSteiner(シュタイナー)の刻印の入ったケースに入っている。
 因みに、ほぼ同一形状の製品を独Steinerと独Eschenbach(エッシェンバッハ)が製造していた。だから、国内外のオークションサイトなどで時々見かける。お値段はどれもほぼ同じ。
仕入れたモノキュラー
8×21(倍率8倍、対物レンズ21mm)の東独Carl Zeiss Jena製Turmonと言う機種である。
Carl Zeiss Jena Turmon 8x21

 実はこの機種は15年以上前に一時期所有していたのだが、金銭的な都合から手放してしまっていた。今回たまたま安く出ているのを見つけて落札したのだった。

 Carl Zeiss Jenaは第二次世界大戦後にソ連配下の東ドイツに残ったZeiss財団の工場で、Carl Zeiss Jena発足後しばらくは西側のCarl Zeissよりも技術力が高かったらしい。この製品もその時代に作られた物だ。
 但し安かっただけあって、外観は奇麗なものの、覗いてみると全体に曇っているような見え具合になっている。
曇っている
「うーん、これじゃ使い物にならんな・・・分解してみるか!」

 本体の両側にネジが見えている。
ネジが見える

ネジが見える
これをドライバーで外したら、簡単に分解できた。
分解したところ
対物レンズと接眼レンズに曇りは無いので、考えられるのはプリズム部だ。が、一見しただけでは奇麗で問題無いように見える。
一見プリズムは奇麗だ
しかし、よくよく観察してみると、うっすらと汚れている。
よく見ると薄汚れが
微かな汚れでしかないのだけれど、どうやらこれが悪さをしているようだ。
 光学機器のクリーニングは専用のクリーニング液が必要だ。「そんなの無いや・・・あ、レンズと同じなんだから」と出してきたのが、カメラ機材に使っているクリーニング用品である。
カメラ用のクリーニング用品
どちらも1996年に購入した物。値札が当時の値段を語っている。
# 今でもそんなに高くないみたいだけど。
ペーパーに液を一滴浸み込ませて汚れている部分を優しく拭き上げればOKだ。
# 絶対に力を入れてゴシゴシやってはいけない。

 組み立てる時、プリズムを抑えている金具が割れているのに気が付いた。
金具が割れている
だからマスキングテープで貼ってあったんだ・・・という事は、以前に分解された事があるんだね。
 板金用ハンダでハンダ付けすれば直せるだろうけど、今のところ支障は無さそうなのでハンダ付けせずそのまま組み立てた。
 早速覗いてみると効果覿面、すっきりとした抜けの良い見え具合になった。
すっきりとした見え具合
これで修理完了である。

 以前このTurmonを手放した後、無いのが不自由で小型モノキュラーを手に入れていた。
もう一つの小型モノキュラー
中央道諏訪湖SAの売店で購入した物で、それなりに重宝している。
# EschenbachにもOEMで出しているみたい。

# 「諏訪プレミアム」でネット検索すると簡単に見つかる。

だけど、倍率が4倍と少々低いので「もう一寸倍率が高ければ」と感じる時が何度もあった。だから今回仕入れた訳である。

 これで実用に耐えられる状態となった。今後大いに活躍して貰おう。

この記事へのコメント

  • ぼんぼちぼちぼち

    ハッキリ見えるようになって良かったでやすね!
    これから大活躍させてあげてくださいでやす!
    2024年09月09日 08:58
  • Rifle

    ぼんぼちぼちぼちさん
    単眼鏡の分解は初めてだったので直せるかどうか自信が無かったのですが、何とか直せてホッとしました。撮影会などで大いに使おうと思います。
    2024年09月09日 19:19