Presonus MP20のメンテナンス(その1)

以前、高音域の減衰に気が付いたMP20は、オーディオ信号経路にある電解コンデンサ類の交換が必要な状態である。
Presonus MP20
まずは中を開けて見る事に。

ひっくり返すと本体裏側にネジがある。
本体裏側
ネジを外すと蓋が外れて中が見える。
MP20の内側
プロ用の音響機器で保守する前提の作りになっており、簡単な分解で内部基板に辿り着けるようになっている。
LEDを支えている基板を外すと、メイン基板全体が見える。
LEDの基板を外したところ
左側に電源のトロイダルコア・トランスがある。
トロイダルコア・トランス
通常のE型やI型のトランスよりも磁束漏れが少なくて変換効率が高いが、お値段も高いので高級機に良く使われている。
配線コネクターを抜いてトランスにある表記を見ると、ブルーがAC40V、それ以外は20Vとなっている。
トランスの表記
トランスの表記
この電圧表記があるお陰で、部品に必要な耐圧が分かる。

メイン基板を確認する。
入力ジャックからそのままこの回路に入っているようだ。
入力部の回路
大き目のコンデンサと共にチップ電解コンデンサが並んでいる。
一瞬「普通のコンデンサの方が安いのに?」と思ったが、チップ部品ならチップマウンター(実装機)で自動装填できるんだよねー。
電源部には、国内ではあまり見かけないずんぐりとしたコンデンサが使わている。
電源部のコンデンサ
ヘッドフォン出力部もコンデンサが多い。
ヘッドフォン出力部
平衡回路にトランスが使われている。
平衡トランス
型番などの表記は無いけれど、形状からしてJENSEN TRANSFORMERS社の製品だろう。
JENSENのトランスも高級機器でよく使わているよねー。

序に、使われているICも観察する。
プリアンプ回路にNE5534が使われている。何故かこのICだけソケットで取り付けられている。
NE5534
今となっては古典的なオペアンプだけど、音質面では最新の物に引けを取らない。回路の進化と音質は別物なんだねぇ。
MC33079もオーディオ用オペアンプである。
MC33079
LM833も082も汎用のオーディオ用オペアンプ。
LM833と082
OPA4134もオーディオ用オペアンプ。ライン・ドライバーとして使われる事が多い。
OPA4134
回路によってICが使い分けられている。多分、設計時にヒアリングを繰り返して使うICを決めたんだろうと思う。

これで必要な電解コンデンサは分かった。
チップ部品だと手持ちの工具では難しいので、一般的なスルーホール・タイプにするんだけど、問題はどこにどのようなコンデンサを使うのか?である。
そのまま同じ容量の電解コンデンサに置き換えるだけで全く問題無いが、折角だからもう一寸何とかしたいんだよねー・・・。

(続く)

この記事へのコメント

  • ma2ma2

    Nice!
    2025年06月20日 12:42
  • lamer-88

    お邪魔しました。
    2025年06月20日 14:08
  • てんてん

    (# ̄  ̄)σ・・・Nice‼です♪
    2025年06月20日 20:06
  • Take-Zee

    こんにちは・・・(^-^)!!
    久しくこういう基板を見てないです。
    見ても分りませんが。
    2025年06月21日 09:55
  • Rifle

    ma2ma2さん
    溺愛猫的女人さん
    lamer-88さん
    てんてんさん
    ご来場有難う御座います。m(_"_)m

    Take-Zeeさん
    チップ部品だらけの基板ですけど、今のようなギチギチの設計にはなってないのが時代を感じさせます。
    2025年06月21日 22:05
  • 歳三君

    nice!です。
    2025年06月22日 13:42
  • Rifle

    歳三君さん
    ご来場有難う御座います。m(_"_)m
    2025年06月23日 22:23