ちょいと分解:電波時計

 先日動かなくなってしまった電波時計を分解する。  まず、外側の枠を外す。 針を外すとカニ目ネジが見えてくる。 これを外すと時計モジュールが取り外せる。  裏側には真ん中に時計モジュール、左がメイン基板、下が電波受信部、右側が電池ボックスがある。 電波受信部の基板には受信した電波を増幅する回路があるようだ。 裏側にはフェライトバーを使ったアンテナがある。このアンテナで標準電波(JJY、40kHzと60kHz)を受信するのだ。 メイン基板はチップ部品で構成されている。 既に水晶発振子を取り外した後だが(汗)、裏側には受信した電波を復号するMPUらしきモジュールが二つある。 受信した電波に時刻を表すデジタルコード(桁毎のBCD)が含まれている。そのコードを復号して、コイルに対応する電流を流して針を動かし、時刻を合わせている。  暗い時には針を止めて電力を節約する為、明るさを検出するCdSが繋がっている。 電波受信中を示すLEDも繋がっているけれど、こちらははめ込んだ後にわざわざ熱を与えて固定してあった。 時計モジュールにも小さな基板がある。 分解すると、中にコイルが二つ入っている。 推測するに、片方は通常の運針用で、もう片方が時刻合わせ用だと思う。 ギアを支えている内部の樹脂板を外す。 ギアは全部樹脂製。分解前にギアを指で回してみたら何となくぎこちない感じだった。見た目では問題無さそうに思うのだが、経年劣化でダメになっているみたいだ。  コイルの直ぐ近くにある…

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電波時計を新調(電波時計が止まっちゃった:その5)

(前回からの続き・・・?)  前回の記事から3年以上経過してしまったが(滝汗)、その間も時々思い出した時に作業をちょびっと続けたりしていた。  しかし、肝心要の電波時計が動かなくなってしまった。(溜息) 初めは「あれ?電池無くなった?」と思って電池を交換したら動き出した・・・と思ったものの、少し時間が経つと秒針がピクピクするだけで針はそれ以上動かない。  電池だと電圧が少し低めなので、改めてACアダプターから電源を供給して確認する。  3Vを供給すると電波受信のLED点滅が始まり、5分ほど経つと針が動き出す。その時の電流を計ったら6mAだった。その消費電流の少なさから、針を動かしているのはモーターではなくて通常の時計と同じステーターコイルと(歯車に取り付けられている)磁石の組み合わせと判る。  針の動きが止まってしばらくすると本来の時間になるまで針を動かして正確な時間で動き出す筈なのだが、実際には針は動かず秒針がピクピク振動するだけ。1時間以上放置しても状態は変わらない。この動きは百均置時計が故障した時と全く同じである。「こりゃぁ壊れたな・・・(--;)。」  この機種をソーラー化して電池不要にしたかったのだが、まぁ仕方あるまい。  この時計がある部屋には電波ソーラー時計が置いてあるけれど、サイズが小さくて少し離れた所からでは見難い。なので、ホームセンターで新たに電波時計を仕入れてきた。 SEIKOのKX256Sという機種である。因みに、隣にある黒い物差しは30cm。…

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EL発光卓上時計の再修理

 2年前に修理したEL発光の置時計は、現在母が枕元に置いて使っているのだが、先日「急に止まっちゃった」と。 「電池無くなった?・・・にしては早いよなー??」  単一電池の容量は単三電池の6倍弱もある。だから、一寸使ってある電池であっても数年で無くなって動かなくなるとは思えない。  念の為に電池チェッカーで測ると1.2Vと一寸で、1.5Vから比べれば電圧は確かに落ちている。けれど、消費電流の少ない時計は1V近くまで電圧が落ちても使える事が多い。 # 因みに、JIS規格で使われている終端電圧は0.9Vなのよん。 だから、止まったのは電池のせいではない。「じゃぁ、中を見るとするか。」  まずは電池ボックスの接点を確認する。正極(プラス)側は問題無さそうだ。 負極(マイナス)側は・・・あ、錆びてるな。 NevrDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いて奇麗にする。細い針金なので磨くのが面倒だった。 この状態で電池を入れてみると・・・ありゃ?動くじゃん。(笑)  しばらく動きを見ていたけれど問題無さそう。「なんだ、接触不良かぃ」と思いながら持ち上げて、母の居る部屋へ持って行こうと歩き出したら「あれ?止まって・・・る??」  改めてあちこち確認してみるが、勿論おかしな所は無い。「うーん?何だ・・・」一旦電池を外してもう一度入れてみると、また動き出す。  「ひょっとして・・・?」と思いながらEL発光スイッチを押すと「あ、止まったわ。」EL発光は時計の動作と比べて多くの電流が必要…

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RADO DIASTARの簡単な手入れ

 今まで取り上げる機会が無くてそのままになっていたのだけれど、昨年9月にRADO(ラドー)のDIASTAR(ダイヤスター)シリーズの「111.0348.3」を中古で安価に入手した。 これを入手した理由は二つあって、一つは「デザインが好き」だから。  もう一つは「セラミックだから傷が付かない」=「何年経っても殆ど変化しない」から。新品当時の姿をそのまま維持できるから「勿体無くて使えない」なんて事が無い。それに、クォーツだから電池交換さえしていれば永く使える。面倒臭がりな拙者にはペッタシなのだ。  入手した時点で電池は交換済みだったのだけれど、安かっただけあってベルトに汚れが目立つ。画像では判らないと思うけれど、ベルトの駒と駒の間には黒い汚れが大量に溜まっているのである。それに、ベルトの長さ調整すらもしていない。(汗)流石にこのまま使う気にはなれず、「そのうちに掃除しよう」と思って放置していたらあっという間に三か月が経ってしまっていた、という訳。(滝汗&恥)  まずはベルトの調整をする。一般的なベルトはバネ棒を外すだけだが、この時計にバネ棒は使われていない。貫通式のピンで固定されている。とりあえず一ヶ所外してみた。 外したのは良いのだが、どうやって長さを調整するのか判らない。 そこで、いつもお世話になっている優美堂へ駆け込んだら、あっという間に調整完了。流石プロフェッショナルだなー。  外し方が分かったので、ベルト部を分解した。 まずは中古で仕入れた小型の超音波洗浄機で水洗いし…

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同時ダブルストライキ!?

 機械制御式の腕時計は2つあるけれど、定期的に動かしていないと調子が悪く成ってしまう。なので、1ヶ月から2ヶ月単位で交互に使っている。先月はRoyal Eleganceを使っていた。 バンドはノーブランド品の黒からRADO純正のシルバーに替えてある。  「6月に入ったから、そろそろ替えようか」と思い、Overseasを引っ張り出して来た。 竜頭を巻き上げると秒針が動き出す。0秒になったら竜頭を引き出して秒針を止...まらん???(@@;)秒針ハック機能が動いていないのだ。「え?オーバーホールしてからそんなに経ってないじゃん!」そういえば、前回も秒針ハック機能が動かなくなったっけ。  松坂屋内部の工房でオーバーホールして貰ったんだけど、オーバーホール後直ぐに不具合が出たりしたから、どうもこの工房と拙者とは相性が悪いみたいだ。今のままでは一寸使い辛いので、違う工房へ頼む方向で考えよう。  「じゃぁ、久し振りにクォーツを使おうか」と考えて、久し振りにセイコーCredorを引っ張り出して来た。 が、ダイアル(文字盤)をみて愕然!(@@;)20分近くも遅れているではないか。  前回腕時計を替えた際、この時計も時間を確認したら少し進んでいたので、キッチリ合わせて置いた。しかも、今年1月にバンド調整をした序でに電池を入れ替えてあるから、1ヶ月強で20分も遅れる状態というのはどう考えてもおかしい。  そういえば、バンド調整した時にセイコーから「オーバーホールした方が良い」と言われていたのを…

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